稲田の中の数軒家、ときどき強風が吹く。
廃材の丸太を使ってバラのアーチを作ったのは十年ほど前、朝起きるとそれが風で倒れた。これから花を咲かせようと、つぼみをつけていたのに、さっぱりワヤや。
この強風にバラのアーチが耐えられなかったのは、バラの木にかかる風圧が大きかったことと、アーチの木が腐食していたためだ。何十年か前に、稲刈りしてそのイネをかけて干すハザという長い丸太、もう今では使わないから、軒下などに積まれたままになっているのがあり、近所からそれをもらってきて、畑の支柱にしたり、庭の木の支柱にしたりしている。その内部で組織の腐食がすすんでいた。
最初に作ったとき、土に接する基礎のところは、ごろた石を拾ってきて、練ったコンクリートで固めたのだが、その頑丈なはずの基礎が、強風で倒れた支柱によって、破壊されていた。
恐るべき強風。
この倒れたアーチの修復に昨日は一日かかった。バラのとげが、チクチクささるから、背丈より高いバラの木を元に戻すのは、やりにくい。
まだ半分作業が残っている。
満開だったモッコウバラとシロバラは、強風で花がかなり散ってしまった。
以前住んでいた奈良の金剛山麓では、強風は少なかったが、吹けば西風が多かった。この安曇野では、南からの強風が多い。美濃から木曽谷を駆け上がり、松本平を吹き抜け、安曇野から白馬へ、そして姫川に沿って日本海へ吹き降りていく。
今回の強風は、南西の風だったからバラのアーチを直撃した。
モズのヒナ、生きているかな。