2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧
このごろ、ヒバリの姿が見えない。春野に聞こえたさえずりが消えた。 おおヒバリ 高くまた 軽く何をか歌う 天の恵み 地の栄え そを寿ぎ 歌う 野の真ん中に立って、よく歌った ツバメの姿も見ない。軒先の巣づくりも見られない。安曇野に引っ越しをしてきて、…
<内山節のつづき> スペインとの国境に近いフランスの山村で、半月ばかりマス釣りをしたことがあった。 「こんにちは、ご一緒してもいいでしょうか」 小学校に通い始めたばかりくらいの少年が、弟の手をしっかり握って、ニコニコ笑って現れた。 このフラン…
内山節がこんな体験を書いていた。 「夜道で、一匹のカブトムシを拾った。家に持って帰って、スイカの皮の上に置いた。翌朝、カブトムシはまだスイカの上にいた。スイカには食べた跡が残っていた。よほどお腹がすいていたのだろう。 『家に帰るかい』 ぼくは…
1989年、こんな俳句が詠まれた。 核の冬 天知る 地知る 海ぞ知る 高屋窓秋 「核の冬」は、核爆発による地球の冷却化であり、万物の生命を脅かす悪の暗喩であると。 人類の犯す悪はすでに世界に、自然界に現れている。絶えることのない侵略戦争は、いつ核戦争…
ロシアやウクライナで、俳句を作る人がいるとしたら、日本語の、5・7・5音の短詩という形式はどうするのだろうか。彼らは日本語を知らない。彼らの言語でどうやって俳句を作るのか。 推測するに、こういうことだろうか。 明治時代、自然主義文学が生まれ…
ロシア、ウクライナで、俳句を作る人が増え、句会も開かれているというニュースを読んだのは、ロシアによるウクライナ侵略戦争が始まるよりも前のことだった。国境を越えて、俳句でつながっていた人たちは、今どうしているだろうか。スポーツや音楽、芸術、…
新船海三郎著「翻弄されるいのちと文学」(あけび書房 2023)に、五味川純平の大作「人間の条件」について書いている。 作家の五味川純平は、1916年に中国東北部に生まれ、1995年に死去した。彼は戦争末期に徴兵され、ソ連軍と戦い、彼の部隊158名は生き残り…