しめなわ作り・ソバ打ち

michimasa19372008-12-22


                                 しめなわ

師走の日曜日、
午前は、村の公民館で「しめなわ作り」、
午後はソバ工房のSさんのところで、地区のソバ打ち講習。


今年の新ワラ、手ざわりもやさしい。
いいにおいがする。
工作しやすいように、ワラに霧吹きで湿り気を与えてある。


20人ほどが円く座り、Kさんが作り方を説明しながら進めていく。
この地域の伝統のしめなわ。
家の玄関の両側に取り付けるのは、
ワラを編んで先っぽを漏斗状にし、ミカンを一個のせられるようにする。
これに門松がくっつく。
玄関の上に飾るしめなわは一間の長さに三本編み。
そこに、ゴボウに見立てて編んだ縄をぶら下げる。
和紙を切った白いぬさも、とりつける。


ひさしぶりにワラを指先に感じ、
折り曲げ、締め付け、よじり、
長い長い稲作の歴史を生きてきた先祖代々の農民の指の感覚を思い出す。
手になじむワラの感触。


しめなわができた。
余りのワラ束をもらって帰ってきた。


ソバ打ち。
こねばちにソバ粉を入れ、水をぱらぱらとふりまく。
まず半分の適量を、ふりまく。
指先を使って、水が粉になじむように、8の字にかきまぜる。
手のひらを使って、なじむように、もむ。
残りの水をぱらぱら、微妙に調節して、さらにこねる。
足りなければ、手水をつけて、もみ、こねる。 


こねる、こねる。
ばらばらをまとめ、一つにこねていく。


粉の感触、
水を含んでしっとりしてくる。
次第にねばりがでる。
たなごころのつけねの、ふくらみでこねる。
力いっぱいこねる。
伸ばして折り曲げ、押しつぶす。
真ん中に菊の花の形ができるようにこねる。
硬さの感触を見る。
押しながら、中の空気を抜く。


充分こねたら、伸ばして平たくする。
師匠のSさん、
見本を見せる。
端にひびわれを生じさせないように、
手のひらの小指の下を端より内側に持ってきて押していくんだ、
それがコツだわ、
伸びる伸びる。
麺棒で伸ばす。
麺棒を押さえながらころがす。
周りへ周りへ広げていく。
麺棒の感触、
転がる感触、
厚さの感触。


薄く薄く、風呂敷のようにひろがった。
折りたたんで、包丁で切る。
当て木に左手の親指、人差し指、小指をあてがって、
包丁を当て木にそわせて切っていく。
細く細く、等間隔に。
この切り方もうまみを決める。


出来上がったソバ、
ゆがいて、ざるソバにして、たーんといただいた。
ソバ粉も手作り。
ソバ打ちも手作り。
ゆで方も手作り。
感覚がつくりあげるソバ料理。
今日は感覚の一日だった。