「人間が、普段は法度になっている、みずからの残忍な衝動を自由に策動させ、最終的には殺人と死を奉ずるようになれば、いったいどういうことになるだろう。」
「フーコーは考える。『人はいかにしてファシストにならずにすませるか、それも自分自身を革命の闘士と信じている場合に、われわれは、自分の言動から、自分の心情や快楽から、いかにしてファシズムをとりのぞくか、われわれの行動に根深くしみこんでいるファシズムを、われわれはどうやって狩りだすか』、ほんとうにどうすればいいのだろう。」
「われわれすべてのなかにあるファシズムーー支配への欲求、暴力的で、独裁的で、流血を伴う権力の再生への渇望――それを敗北させるために闘う人間は新しい戦地を切り開かねばならない。それは侵犯を超えた、死への欲望を超えた地点なのだ。」
(「ミシェル・フーコー 情熱と受苦」 ジェイムズ・ミラー)