2016年 元旦は白い世界

 昨日の大みそか、孫たちはテレビを見ていた。大人たちは、シャンパン、清酒どぶろくを飲んで、年越し蕎麦を食べて、談論風発の後、「カンタータ 土の歌」から「大地讃頌」の家族合唱をした。息子二人と次男の嫁とぼくたち夫婦、5人がソプラノとバスに分かれて、あらかじめ印刷しておいた楽譜を見ながら練習をして歌う。この合唱は昨年の正月からの宿題だった。昨年は歌いかけて、どうもうまくいかなかったから、来年はいい合唱になるようにしようということになっていた。長男次男は学園高等部で歌いこんできた歌だし、長男はその指揮もした。ぼくは早春賦音楽祭に向けて練習を重ね、アルプス公園で合唱したこともある。ところどころ会わない音程もあったが、親子の声の質が同じだから、ハーモニーが美しく響いた。
 「大地讃頌」から一夜開け、2016年。快晴、雪が5センチほど降り積もっていた。


            2016年 年賀状
 若き日、大和と紀州の山々を歩いて、明治 38年にニホンオオカミの最後の一頭が獲られて絶滅した事実を知り、その後山中でいくつかの不思議体験をした記憶から、滅びゆくもの、小説「ニホンオオカミの挽歌」を書こうと思ったのは還暦を過ぎてからでした。けれども筆は一向に進まず今日に至っています。
 人生の晩年をいかに生きるか、混沌の日本と世界の叫びが聞こえます。東北震災地の海岸沿いに四百キロに渡る「緑の長城」を築こうと木を植えている人たちは一つの大きな希望です。
 我が家の周囲はいま、農業施策で圃場の大型化をすべく、ユンボやブルが動いています。早朝、氷点下の現場を一頭のキツネが疾駆していきました。キツネの向かうところには古巣がありました。彼の巣は多分破壊されたことでしょう。山は雪、連峰は白く輝いています。
 1965年にシルクロードの旅で訪れたシリアやイラクは平和でした。人びとは穏やかでした。それから50年が経ちます。世界の内戦は激化し、憎悪は拡散しています。難民の行くところはいずこにありや。政治を危惧します。平和な幸多き年になれかしと、切に切に祈ります。

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  わが家族の即席「大地讃頌」の合唱。息子がユーチューブにアップした。2時間ほどの練習だから、完成していないが、家族合唱の記念にユーチューブに入れてもらう。来年正月、レベルアップしてまたユーチューブにアップしよう。
      https://www.youtube.com/watch?v=n18MLOEY1ko