雪降る 

 

 雪が簡単に落下する屋根(左) 凍結して危険な道(右)


        屋根の雪


一昨日の夜から雪が降り続いた。
隣の土地にいた二匹の野良猫の姿が見えない。
野良と言っても、餌を与えに来る元の飼い主がいて、
畑だった自分の土地に猫小屋を作って、そこへ餌が切れたころにやってきては餌をがばっと容器に置いていくものだから、
猫は2年近く、元気に生き続けてきた。
だが、先日元飼い主が小屋を撤去したために、猫は完全な野良になった。
そこへこの雪。
どこへ行ったのだろう。
猫小屋のあったときは、猫が我が家のガレージ内をトイレにしたりしたから迷惑な存在だったが、
姿が見えなくなると、この寒空、どうしているだろうと、ちょっと気になる。


隣家はログハウスで、屋根は瓦ではなく黒い金属板、
この屋根は傾斜が急で、さらに屋根材の関係からか、雪が自然に落下する仕組みになっている。
昨日も、30センチほど積もっていた雪が、少しずつずり落ちてきて、軒から分割して落ちていた。
まず屋根の下半分が軒のほうにずれ、軒からはみ出した分から順に落下する。
雪がやんで薄日が射しだすと、ただちに落下の動きが始まる。
屋根全体がどかっと落ちると、下に人がいると埋まってしまうが、
少しずつ落ちるから安全で、そのような仕組みに屋根がなっているのかなと思う。
黒姫高原に住み、アファンの森をつくっているC・W・ニコルさんが以前、
日本の雪国の家屋では、雪下ろしが大変な作業になっている、
どうして雪が自然にすとんと落ちる傾斜にしないのだろうと話していたが、
日本の家屋の屋根の傾斜は、屋根に人が上って屋根の修理をしたりすることが容易で、滑り落ちない安全性をもっている、
瓦屋根で急勾配にすると、瓦の重力が大きくなり、それを支える仕組みもやっかいだ。
台風や地震という災害の多い日本では、急勾配の屋根に瓦はよくないだろう。
かやぶき屋根、わらぶき屋根は、瓦屋根より勾配は大きい。
これは雨水を早く落としてしまう構造なのだと思う。
そうしないと屋根材がいたみやすい。


ぼくが一昨年我が家に建てたガレージ兼納屋の屋根材は、ガルバリユーム鋼板、
これはアルミと亜鉛の合金で、値段は安く、重さは軽く、切るのも容易で、
なにより長持ちするのがいい。
「100万円の家づくり <自分でつくる木の棲み家>」(小笠原昌憲 自然食通信社)という素晴らしい本があり、
これを参考にして、自分で建てたが、
その本で絶賛している素材がガルバリユーム鋼板、
それを近くのホームセンターに注文して取り寄せて屋根に葺いた。
なるほど、軽くて細工はしやすいし、塗料を塗らなくても、さびはなかなか来ないし、強いのがいい。
さびが来そうな年数になったら塗装しようと思っている。
ただし屋根の勾配は極端になだらかにしたから、雪は簡単に落ちない。
自然落下はありえないし、位置が北側で日当たりは悪く、
雪はいつまでも残っている。
だから、昨年、1メートルの雪の重みに耐えられるように、ホームセンターから杉の柱材を6本買ってきて、新たな棟木と柱にして補強した。
既に出来上がっている屋根に、付け加えていく工事だったが、我ながらよくできたと、満足している。
雪の重みはまず大丈夫だ。
次に作る工房兼学習室の屋根は、やはりガルバリユーム鋼板にしようと思っている。

   ぼくの作品に雪積もる