クレムリンの宮殿のなかで

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爆撃によって破壊された建物、

着の身着のまま故郷を脱出する人々。

残虐な生き物の歴史、

山ほど教訓があるのに、いまだ懲りることがない。

 

モスクワ・クレムリンは絶大な権力者の宮殿、二つの大聖堂と鐘楼が建ち、イワン大帝のときの2キロメートル以上の城壁を持つ壮大な要塞。

そこに居て、部下が伝える情報を見て、命令を下している。

本当の世界を、人間を、見ていない。

 

 ネイティブ・アメリカンの小説「リトル・トリー」のなかにある文と詩。

 「だれでも二つの心を持っている。

 一つの心は、体の心。体がちゃんと生き続けるように働く心。

 もう一つの心は、霊、スピリットの心。使えば使うほど大きく強くなっていく心。」

 

 詩がある。

 彼らは先住民なのに、アメリカ建国の歴史の中で、生活を追われ、支配と圧制に呻吟した。

 

  もう少し一緒に腰を下ろしてくれないだろうか

  長い時間とは言わない

  あなたの地上での時間からすれば一瞬かもしれない時間を

  視線を交えるだけで

  僕らはわかるだろう

  互いの胸の内を感じるだろう

  さよならの挨拶を交わすときも

  かけがえのない相手とわかちあう理解と愛に

  心は安らかに満たされていくだろう