餌探し

雪が積もれば野鳥たち餌がない。
何日も食べない日もあろう。
それでも、ひもじさを見せないで元気そうに飛んでくる。
家内は木の枝にミカンを一個、小袋を突き刺してやったが、どういうわけか食べにこない。
そこで、ヤマボウシの木にトレイほどの木製の餌場をつくり、ピーナツをおいてやった。でも食べに降りてこない。
ゴマはどうだろう、と家内はゴマを少々、エゴマをいくらか、ぱらぱらと餌場に置いた。これなら栄養もあるよ、寒さに負けないよ。
まだ、食べにこない。
何が原因なのか、何を警戒しているのか、突然現れた餌場に慣れないからか。あるいは餌場の位置や、高さが関係しているのか。
集団行動で一斉に十数羽降りてくるスズメたちは、雪の融けた地面をついばんでいる。そこに草の種があるのかね。
ジョウビタキはヒメコブシの枝に止まって、尾羽を振ってカタカタと音を立てる。お前は、何を食べてるの?
そうだ、あれがいい。ピーンとひらめいた。以前畑の畝にまいたとき、鳥たちがついばみにきた、米ぬか、それを置いてやろう。
米ぬかは、農協の精米所から、ただでもらってきたのがある。
それを移植ゴテに山盛り一杯、餌場とその下の地面に置いた。
そうしたら、来ました、来ました。
たくさんのスズメ、餌場にも、その下にもやってきて、くちばしをプッププップ振っては、ほおばるように食べる。とつぜん何かを警戒して、飛び去り、しばらくしてまた舞い戻る。
米ぬかは一日で食べつくした。
それじゃ、もう一杯。米ぬかには香りがある。胚芽など、いちばん栄養価の高いところが混じっている。
今朝は二杯置いてやった。
やってきたスズメ、満足満足。こちらも満足満足。