タカオ君の結婚パーティ


農民タカオ君の、結婚披露祝賀会に参加できなかったことは残念至極。
ぼくの入院中、4月12日にそれが行なわれた。
地元の公民館を借りて行なわれたから、今時珍しいニュースだと地元のタウン情報紙が取材し報道したらしい。
ぼくは、参加できなかったから、どんなだった?と家内にも、参加した何人かにも訊いてみたが、情景はなかなか描けない。
そんなもんだろう。説明するのは簡単ではない。


すべて手作り、仲間が実行委員会を作ってとりおこなった披露宴。
参加者はほとんど地元のつながりの人々で、総勢96人だった。
タカオ君が杜氏として働いてきた酒蔵と新婦の働いていたレストランからレンタルバスを出し、酒をもって駆けつけてきた。
タカオ君が入団している地元の消防団からは、ハッピ姿の消防団員たちが勇ましく練りこんできた。
無農薬有機農業、自然農法の実践仲間たちは、待ってましたとばかり声上げて乗り込んできた。


司会は地球宿の望君が得意の話術で切り出した。
お祝いのスピーチはタカオ君の人となりを酒の肴に、愉快豪快に、
おぐらやま農場の子どもたちと地球宿の子どもたちと母さんたちは、歌を歌った。
歌の題名はなんだったかな、「初めの一歩」?「最初の一歩」?
安曇野のボブディラン、アキオ君は、ギターの弾き語りで結婚賛歌。
そこへお出ましは、地元消防団のラッパ隊。
二人がラッパを吹き鳴らす。
地元の人々で作る消防団にも昔から、ラッパで呼集したりする合図があったそうだ。
そしてお色直し、新郎新婦は退場、
お色を直して出てまいりましたのは、作業服に着替えたお二人。
やおら入り口に設置した臼で、もちつきを始めた。
ぺったんぺったん、ぺったんこ。
タカオがついて、ヒサミがこねる。
夫婦和合のおもちつき。
こりゃ円満だね、円満だね。
とうがらし入りの紅餅と、白餅。
めでたいですな、めでたいですな。
つきあがった餅を、新婦がテーブルを回ってプレゼント。
お酒に酔って寝てしまった人がいた。
そこで消防隊の出動出番、かついで家まで運んでいった。

引き出物は、タカオ君が栽培したミニトウモロコシ1本、
無農薬のトマトジュース&ピューレ1本、
そしてタカオ栽培、ヒサミが焼いたエゴマクッキー。

ぼくは、病院からメッセージを送って、
望君にそれを朗読してもらった。


    タカオ・ヒサミの結婚を祝う

 ふたつの名前が並んでいます。
 エゴマクッキーを焼いたんだね。
 この日のために、ミニトウモロコシの贈り物を作ったんだね。
 それらに付けられたシールに並んだふたつの名前。
 タカオ、ヒサミ。
 名前の後にやがて三人目の名前が並び、
 四人目の名前が並ぶ日が来ます。
 夢を描き、理想を追って、仲間とともに一筋に生きる個性豊かなタカオとヒサミの農場です。
 医師は患者から学んでこそ、よい医者となり、
 教師は子どもから学んでこそ、ほんものの教育者となり、
 農民タカオは作物や土や太陽や草、あらゆる自然から学んで作物をつくる、
 勇気ある実践者です。
 タカオ君の作った酒はうまい。
 アイガモがもたらしてくれる幸せだね。
 酒の名前は「鴨ん福」
 「鴨ん福」は「鴨の福」
 「鴨ん福」は「COME ON HAPPINESS]
 「福よ、来い」
 「福よ、来い」