環境
『絶滅した日本のオオカミ その歴史と生態学』(ブレット・ウォーカー) 公立学校の教職にあったとき、夏休み、ぼくは中学生たちと吉野地方の山々へよく出かけた。 「つちのこ探検隊」という空想的シナリオだが、子どもたちは山の不思議にロマンをかきたてら…
――いま安曇野で起こっている問題―― 39年も前のことになるが、記憶は明瞭だ。 座席の間に突進したブルーの制服を着たガードマンは、こぶしを一人の学生の顔面にぶつけた。 学生の眼鏡は割れて飛び散る。 ぼくの身体は無意識にガードマンの方に動いて学生を…
安曇野の東部、池田町の丘に町立美術館がある。 美術館からの眺めは、まさに絶景。 高い木立が集落を取り巻き、黄金色の田園は稲刈りも近い安曇野の、 真正面に有明山、その背後に北アルプスが波打っている。 池田町立美術館はクラフトパークの中にある、こ…
地球宿で報告会 久しぶりで会った彼女、日に焼けた素顔は健康そのものだった。 トイレのない農村で、トイレを350基も建設してきたのだ。 かつての強靭な野性味のうえに思慮深さが加わり、ゆったり落ち着きのある女性になった。 今春出産し、今は二人の子…
ヨーロッパの農民が畑の中を大鎌で刈っている絵を見たことがある。 その印象が強く記憶に残っていたから、隣の座席のロシア人に、大鎌の絵を描いて見せたら、 「コサ、コサ」と言った。 大鎌のことを「コサ」というのだな、ふーん、じゃあ、これは? 次の質…
こんなに簡単に堆肥化できるとは驚き 生ゴミを我が家で処理して堆肥にし、土に返す。 それをダンボール箱を使って行なう方法を我が家でやり始めたら、 驚き、驚き。 こんなに簡単に発酵が進むとは。 家庭の生ゴミを、連日ダンボールに入れても、たちまち分解…
北海道のエゾオオカミは、1900年ごろに絶滅した。 ニホンオオカミは、1905年(明治38年)に奈良県東吉野村鷲家口で捕獲された1頭が最後となり絶滅した。 ほぼ時を同じくして、この地球上から姿を消してすでに約100年。 滅びの下手人は人間。 …
Kさんのばあちゃんと二人で 「初めての『ゴミ当番』です、よろしく。」 今日の相棒のKさんが当番小屋に来ておられたから挨拶した。 午前7時から8時まで、この地区の「燃える家庭ゴミ」が公民館横の集積場に集まってくる。 自治会では輪番で、ゴミ集積の…
ネパールの子どもと環境 3人の少年が荷を入れた大きなかごを背負って、峠を登ってきた。 3人とも汚れた衣服にはだし、十代前半ぐらいだろうか。 彼らは、ぼくらのテントを見つけると、近づいてきて、一人が黙って片手を差し出した。 見ると、手のひらの真…
動物が戻ってくる 近くの農家は、休耕田に水を入れて代田のようにしている。 そこは穂高の久保田地区、何枚もの休耕田が水をたたえ、 空を映し、雲を映し、 真夏の今、田植え前のような景色だ。 豊富な山の水を使って、休耕田に水を張れば、ぼうぼうと生える…