ボブディランの「風に吹かれて」を聴きたくなった。
しみじみと切ない思いで、歌を聴いた。
世界のあっちでもこっちでも、殺し合いが起きている。奪い合いが起きている。
ぼくは今、緑の野の風を感じている。
人間という生き物を想いながら、ボブディランの「風に吹かれて」を聴いている。
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どれだけ多くの道を歩めば
人は人として認められるのだろう
どれだけ多くの海を渡れば
白鳩は砂浜で休めるのだろう
どれだけ砲弾が飛びかえば
撃つことが止められるのだろう
友よ、答えは風に吹かれている
山はどれだけの年 存在できるのだろう
海に浸食されるまで 何年かかるのだろう
ある人々が自由になるまでに
人は何年、顔をそむけるのだろう
見ないふりをして
友よ、答えは風に吹かれている
人は何度見上げれば
空を見ることができるのだろう
人はどれだけ耳を持てば
人々の悲しみが聞こえるのだろう
どれだけ人が死ねば
余りにも多くの人々が死んでしまったと
気が付くのだろう
友よ、答えは風の中に舞っている