ベンチ横に樹を植えた

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 廃材を利用して作った「野のベンチ」の横に、一メートルほどはなして木を一本植えた。真夏になって、かんかん照りになったとき、ベンチに座った人に日陰をつくってくれるベンチになればいいな。そう思って、農道わきの農地の所有者に許可を得て、まずは第二ベンチ横に、幼樹を植えた。

 昨日、雨が降る前に、我が家のムクゲ、高さ二メートルちょっとにまで育ったのを根っこから掘り上げて、運んできた。ちょうどそこへ、高齢の女性がウォーキングで来られたから、声を掛けた。

 「こんにちは。この農道沿いに、ベンチを手作りして、置かせてもらっているんです。足の不自由な人や、足腰の痛い人が、散歩できて、休めるように、この農道のきわ、下(しも)から上(かみ)へ、五か所に、ベンチをつくって置こうと、やっています。」

 「そうだったんですか。私、毎日、ここに腰をかけさせてもらっています。助かります。ありがとうございます。ここに腰を下ろして、山を見るんです。正面に常念岳でしょう。右を見れば、白馬連峰でしょう。最高の景色ですね。私、五年前、こちらに引っ越しをしてきたんです。向こうの諏訪神社の近くに住んでいます。自然が好きで、こちらに来ましたが、足腰を痛めると、大変ですねえ。買い物に行くのも大変になりました。」

 「そうですか。座ってくださって、ありがとうございます。私はこの地に奈良から来て十五年になります。ところが左ひざを痛めまして、散歩の途中で、どこか腰を下ろしたいと思っても、どこにもなくて、それで自分でベンチをつくって置こうと思ったんです。ここに腰を下ろして、景色を眺めながら歌を歌うんです。いいですよう。真夏になったら、木陰がほしいので、それじゃ木を植えようと思って、関係機関の許可ももらいました。」

 植える木は、何にしようかと考えて、ほんとは大木になるのが理想なんだけど、こぼれ種から芽がよく出る、根付きがよく、生長が速い、取り除く必要があれば簡単にできる、ムクゲにした。夏に白花をつけるのと、紅白の花をつけるのとが、我が家に数本ある。ヤマボウシとかカツラとかを植えたいけれど、圃場整備の完了した田園地帯だから、無理は言えない。

 街の中にも、野にも、もっともっとベンチが欲しい。