苗売り、苗買い

 5月は苗売りが盛んだ。
 野菜苗、花の苗、樹木の苗、所狭しと売り場に並んでいる。
 農協(JA)の店、ホームセンターの苗売り場、物産センターの苗コーナー、黒いポット、赤いポット、黄色いポット、種類の分だけポットの色があり、それで仕分けされ、値段が変る。
 広域農道を車で行くと、道端に立て看板、
 「野菜苗あります」
 田圃の一角、ビニールハウスが3棟、そこが苗売り場になっていた。
のぞいてみた。
 風が強くて、ハウスがごうごう鳴っていた。
 トマトの種類だけでも何種類あるか、
 ナス、キュウリ、スイカ、メロン、ピーマン、ゴーヤ、
 ハウスの端から端まで、苗、苗、苗、
 素人でも作りやすい苗、
 味がとてもよい苗、
 たくさん実のなる苗、
 病気にかかりにくい苗、
 新たに生まれた新種の甘い苗、
 自根苗、
 接木苗、
 苗、苗、苗、
 ハウスの入り口にレジがある。
 アルバイトの女の子が会計をしている。
 若い男の子が苗を運んでくる。
 客が栽培の仕方を聞いている。
 若い男が威勢よく応えている。
 ぼくも幾種類か、苗を買った。
 トマト、ナス、小玉スイカ、キュウリ、
 トレイに入れて車に載せ、次は堆肥を買いにホームセンターへ走った。
 発酵鶏糞、牛糞堆肥、苦土石灰、ついでにサツマイモの紅東という種類の苗を40本。
 昼間の気温はぐんぐん上がって、汗ばむ。
 連作障害を防ぐために、ここ数年植えたものと同じものや同じ科のものは、植える場所を変えなければならない。
 畝は11ある。
 去年、おととし、さきおととし、1の畝には何を植えたかな? 2の畝には何?
 ノートを繰って調べて、今年植えられる畝を決める。
 小玉スイカは、工房の南側に植えよう。太陽燦燦の草地を耕して。テレビでやっていた行灯仕立て(あんどんしたて)で育てよう。横に広げないで、立てた支柱の上に広げていくやり方。
 スコップで土の天地返し、牛糞堆肥と苦土石灰、よう燐をまいて、さらに耕し、
 二、三日寝かせて、保護した苗を植えよう。
 種を播いたキュウリとゴーヤはまだ芽を出さない。種ショウガを植えた。
 これからトウモロコシの種も播く。インゲンも播く。
 孫たちが夏に帰ってきたら、トウモロコシも小玉スイカも待っている。