「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」

f:id:michimasa1937:20131220112258j:plain

 

 久しぶりに古本屋に入ったら、あの本の背文字が目に飛び込んできた。

 不思議なんだなあ、向こうの方から飛び込んでくる。

 

 題名「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(加藤陽子

 この本、新聞の広告欄で見た時、読みたいと思った。が、最近はほとんど図書館の本を読んでいて、図書館にこの本がなかったからそのままになっていた。

 本の値段を見ると、定価の三分の一。表紙の帯に鶴見俊輔京都新聞に載せた評の一部が書かれていた。

 「目が覚めるほど おもしろかった。こんな本がつくれるのか? この本を読む日本人がたくさんいるのか?」

 さらに帯に、小林秀雄賞受賞とあり、高校生に語る➖日本近現代史の最前線と書かれていたから、これは読まずにはいられない。購入した。

 加藤陽子は東大文学部の教授。こんなことを書いている。

 「私の専門は、1929年の大恐慌から始まった世界的な経済危機と戦争の時代、なかでも1930年代の外交と軍事です。30年代の歴史から教訓として何を学べるのか。」

 そして、高校生、栄光学園の生徒たちにこの歴史を講義する。講義すると言っても、教授として説を語るだけではなく、生徒たちに考えてもらいながら考察していく。

 1930年代というと、まさに「ケルン」が発行され、廃刊になっていった時代だ。

 希望から絶望へ、建設から破壊へ、急転直下に蹂躙していった時代。

 今のこの時代、なんだか寒い。世界も日本も、あの時代の寒さに似たものを感じる。

 いま、「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」を読んでいる。背中が寒い。心も寒い。