見えない世界の変化 


 最近、友人からこんなメールをもらった。

 <福島原発事故直後から福島県で蝶の調査を続けている琉球大学の大瀧丈二准教授の研究チームによると、福島県で捕獲した121匹のヤマトシジミの内、全体の12%から「羽が小さい」、「目が陥没」というような奇形が発見されたとのことです。
 これは英科学誌ネイチャーにも発表されていますが、この調査結果を発表した後に、大瀧丈二琉球大准教授が率いる研究者チームの研究費はカットされました。上から何らかの圧力があったと見られ、このような放射能被曝を裏付ける調査には危険が伴うことが分かります。
 また、北大農学研究員の秋元信一教授らの研究チームの調査では、福島県に生息しているブラムシの一種「ワタムシ」の成育に異常が出ていることも判明。腹部が二つある個体も発見されており、通常の10倍以上の奇形が発見されています。調査をした秋元教授は「遺伝子レベルで突然変異を引き起こすような、外的要因があったのは間違いない」と指摘し、現在も調査を継続中です。
 ツバメにも福島原発事故以降の福島県で異常が発見されました。欧米の合同調査チームが福島県に入り、高線量地帯で動植物の汚染状況について調査をしてみたところ、鳥や昆虫などが激減している上に、チェルノブイリで見られたような奇形も複数発見されたのです。>

 こういうメールだった。
 小さな生物に変化が起こっている。人間の目にとまりにくいところで、ひっそり命をつないでいる生き物に、変化が起こっている。
 福島の子どもたちに甲状腺ガンの異状が増えていると言う。
 
 福島の被曝地に入って、もくもくと調査している人たちがいて、その変化が発見され、見えないところの世界を知ることになる。ただひたすら、黙々と、毎日毎日、地を這うように研究調査する人たちがいて、真実が見えてくる。