つるバラのアーチ


 古い材木でつるバラをはわせるアーチを作った。モッコウバラと白のつるバラが繁茂して、屋根まで上っていってたのを昨年秋にばっさばっさ剪定して、屋根上の部分を取り除いた。この2本のバラには勢いがあって、もっと自由に茂らせたいが屋根上はだめだ。そこで、特別にアーチを作ってやろうと考えた。かねがね作業に取り掛かろうと思いながら、市販のアーチは費用がかかるし、自分でつくる材料をただで手に入れることを考えていたこともあって、実現が延び延びになっていた。近くの大工さんの作業所の前に古材を積み上げてあるのを知っていた。あれをもらおう。そう決めたから、夕方大工さんの在宅を見計らって出かけていった。くださいと言うと大工さんは、
 「何に使うのですか」
とにこにこ笑顔できく。
 「つるバラを這わせるのをつくろうと思ってるんです」
 「あの古材は、家をこぼったときの持ってきたもので、処分するものなので、どうぞいくらでも」
 気持ちよい返事がうれしかった。もらえるぞう、もらえるぞう、わくわくして帰り、数日後に軽トラックを準備して行った。
 積み上げられていた古材は2、30本はある。その中から、5本を選んでもらってかえった。古材には古釘が無数に打ってあった。くぎ抜きで、一本一本錆びた古釘を抜いて、汚れを落とすと、りっぱな柱材になった。幅は10.5センチ、長さは2.5メートルある。
 いよいよ作業に取り掛かる。設計図を書いてそれに合わせて、ドリルとのみを使って切り込みを入れ、家型に組み立てられるようにした。それに塗料を塗る。
 次に柱を立てる基礎の位置を決め、50センチの深さまで土を掘り、ヒューム管の輪切りを埋め込んだ。このヒューム管の穴に柱を突っ込む。
 今日、それを組み立てた。柱をヒューム管に入れて2本立てる。柱を垂直にして砂利を柱とヒューム管の間に詰めて固定する。その上に屋根型に2本を組み立てる。材木の落下を防ぐ支え木を立てて固定し、ほぞ穴に、ほぞを入れ、何度も柱が垂直になるように水準器を使いながら組み立てていった。
 脚立に乗って、微妙なバランスを取りながら、なんとか組み立てが完了。ビスで固定。設計どおりに、ばっちり組み立てられた。
 古材をくれた大工さんに見てもらおう、感謝感謝です。

 モッコウバラと白バラの長く伸びたつるを、完成したアーチにそわせたら、いい感じになった。花が咲くのが楽しみになった。
 昨年作ったアーチにも、ピンクのつるバラが育っている。昨年苗を植えたばかりだから、まだ小さい。昨年小花がたくさん咲いていたから、今年はぐんとつるを伸ばすだろう。
 これでつるバラは5本になった。