望三郎君は当選した

臼井吉見記念館


 昨夜、地球宿、全力投球してきた面々が結果を待った。
 夜中の12時過ぎ、望三郎君から後援メンバーへメールが発せられた。

 「みなさん、望三郎です。当選しました。みなさん一人一人のおかげです。
 みなさんの頑張りに当選という形で応えられてよかったです。本当にありがとう。
 今日はゆっくりみんなとこの時間を味わいます。楽しみます。」

 望三郎君が当選した。次のメールが入る。

 「望さん、当選おめでとうございます!
嬉しいですね。なぜか眠くなりませんね。我が家の息子も気になって寝付けなかったようで‥‥。
 望さん当選したよ〜と言ったら、間もなく寝息を立ててました(笑)。
 1,967票、小林純子さんよりも多くの票を獲得出来たことを見ると、きっと多くの人に望さんの声が届いたのと、望さんを直接知らない人も、望さんに期待しようという声のあらわれだと思います。
 組織票というものがない中、ほんとうに凄いことだと思います。
 安曇野市議会が市政にどう市民の声を反映させていくのか、これからは私たち望さん応援団も、望さんをしっかりバックアップしていけるように、ひとりひとりがしっかり市政に関心をもって、議論していかないといけませんね。改めてそれを強く思った夜です。
 安曇野を、もっともっと好きになってくれるようがんばりましょう。自分ももっともっと好きになります。ひとまずは、本当におつかれさまです!」

  続くメール。

 「ホッとしました。小林純子さんの票を減らさずに済んだことにも安堵しました。
 選挙カーを出さず、目立った選挙活動もされてなかったにも関わらず、 支持の票数を維持していた純子さんを、すごいと思います。
 新しい数百票の支持獲得になったのが、 市議としての4年間の成果であることが証明されたのだと思います。
 純子さん、おめでとう!  さぁ、見せてくれ望三郎!」

  一夜明け、こんなメールが来た。送り主は大学講師。

 「一日市場駅で当選御礼の朝の辻立ち、望さんならではですね。
 これから、選挙でつくった繋がりを、安曇野の人々のしあわせの繋がりに広げてください。
 東京・吉祥寺に観光調査をしました。その調査は、武蔵野市のけやきコミニュティセンター(公民館)を中心に行いました。
 レポート添付します。素敵な安曇野づくりのお役に立てれば嬉しいです。
 けやきコミニュティセンター(公民館)の人々は、ゴミ問題で揺れる武蔵野市の改革をした人達の集まりです。その到達点は、”市役所の隣にゴミセンターをつくり、皆で監視する”でした。
  焼却熱の利用も考えられるし、安曇野をこの方式で、いい環境の田園都市にという夢が膨らみますね。」

 選挙結果の発表があったその朝、望三郎君は最寄の駅前に立って、選挙支援への感謝の挨拶をしていたのだ。市民の中に身をさらし身を置く姿、「現場主義」と自称しながら産廃施設問題に9年間苦しむ現場に一度として来たことのない行政トップにはない謙虚さを感じる。
 メール送り主は調査レポートを添付していた。そのレポートの「はじめに」の文章に次のような文章があった。

  <安曇野市の基幹産業である農業と観光は、新たな展開を企てねば、先詰まり状況にある。農業は後継者不足問題をかかえ、数年後には農業者の激減が予想される。観光においては、安曇野の有名観光地への旅行者の大幅減少が報告されている。この状況を打ち破るために、農業と観光を結ぶ新たな事業の可能性をさぐる必要性を強く感じている。
 そこで、その可能性をさぐるために、都市住民への「安曇野観光に対する市場アンケート調査」と「安曇野紹介イベント」をセットに、(1)市場調査 (2)安曇野紹介 (3)安曇野市民参加者の協働体験 (4)都市住民との交流 を目的とする行動の計画立案をした。
 この市場調査を都市住民に実施できれば、今後の安曇野観光にとって有益なものとなるであろう。>

 選挙で支援してきたメールの主は、議員増田望三郎の活動舞台へ思いを馳せている。
 市民の側から行政を組み立てる。子どもの側から、親の側から、働く者の側から、政治を考える。それを望三郎君は、先輩議員の小林純子さんから学んだ。
 小林純子さんは、議員生活10年、徹底して無所属を貫き、なれ合わず、おもねらず、自己利益で動かず、不正をあばいて公正を顕現しようとする議員活動によって孤立もした。しかし市長や体制派議員の圧力や疎外に屈することなく、自らの生き方を貫徹することによって、行動する市民の支持を受けてきた。
望三郎君は、アイガモ農法で米を作り、ブルーベリーを植え、野菜を作り、農家民宿に泊まってくれた客と酒を酌み交わして語り合った。悩める人困っている人の力になってきた。原発放射能におびえる子どもたちと親たちを招いた保養ステイを毎夏企画実践してきた。そういう生活のうえにこれから議員生活がかぶさる。
 望三郎君は、議員となった。議員になっても望三郎は望三郎、考え方に壁を作らない。夢を持ち続ける。
 安曇野市有権者は79,379人、投票数は、51,313人。投票率、64.64パーセント。
 望三郎君の得票数、1967.
 小林純子さんの得票数、1955。