秋

 つやつや光るピーマン。二つに切って、種をとり、ひき肉を入れてオーブンで焼いたもの、ぼってり肉厚のピーマンは、うまい。ピーマンもシシトウも、木は小さいのに、次から次へと実ができる。よくまあそんなにも、ありがとさん。

 みよ子さんが、「おいっこの作ったリンゴだよ」と両手にかかえてもってきてくれた。ありがとさん。
 秋ササゲがたくさんできているから、ササゲをもいで、ついでにピーマンもとって、みよ子さんの家にもっていった。
「あげて、もらって、いいね」とみよ子さん。

 トマトの支柱に竹竿を用いた。その先端に山から降りてきたアキアカネがとまる。どの支柱にもアキアカネ
 昔、アキアカネは群れをなしていた。夕焼けの中を、夕映えに染まって飛ぶ赤いアキアカネの群れ。
 青函連絡船に付いて飛び、甲板の上を行ったり来たり、指にも止まったアキアカネ
 大根の種を播いて、上からモミガラを薄く敷いた。芽が出て、苗はすくすく育っている。ホウレンソウの種も播いた。モミガラの間から細い芽が出た。あしたは京水菜を播こう。
 かんぴょうをつくる夕顔の苗を1本もらってきて庭の畑の隅に植えたら、つるを旺盛に伸ばして、隣の家の庭まではっていって、どでかい実をならした。何キログラムあるかな、ずしりと重い。大きいのは15キロにもなるそうだ。夕顔の実をそのままつるに残して熟成させたら、火鉢もつくれるとか。へえ、そういう細工もできるのか。

 朝晩の気温が急激に低くなってきた。クルミの樹の家のおばさんが、
 「夜は冬になってきたねえ、また寒くなるねえ、いやだねえ」
と言った。
 「クルミの伐採木の枝、また少しください」
 春にたくさん木の枝をもらった。それでもまだ残っている木が雑然と積み上げられている。
 「いいよ、いいよ、もっていっとくれ」
 モミガラももらった。またチェーンソーをもってきて、太ももほどの太さの木を切って、ストーブ用に付け足そう。今年の冬は例年より寒くなるという予報だ。昨年も寒かったのにまだもっと寒くなるのかい。