実習生の作文


 市の教育委員会社会教育課から要請があった。市内数箇所で開かれている外国人のための日本語教室で、新たにボランティアとして指導に参加したいという人たちが出てきているので、その人たちに役立つような講習会を開きたい、その講師にということであった。担当課との打ち合わせも済み、今その準備をしている。
 以前、(財団法人)日中技能者交流センターの研修所で教えたときの研修生が書いた作文をひとつの参考資料として使おうと考えている。間違いが多い作文だが、それでも、初めて習って三ヶ月間でここまで書けるようになっていた。間違いや不明のところはそのままにしてある。どういうところを間違っているかを知ることができるが、何よりも重要な、「教えるということはどういうことか」を考えるきっかけになればと思う。目の前に学習者の魂の深い海があり、さらにその向こうに彼らの家族があり、彼らの人生がある。彼らに接する私たちもまた、自分の魂で彼らと交わるのだ。

 
          私の家族、私の故郷

 私の出身は、中国の河南省の安陽市です。家族は5人です。父、母、姉、弟、妹と私です。父と母はことし54歳になります。父と母は、農業です。今、故郷は農業をしています。母の誕生日は旧暦の3月27日でした。毎年母と父の誕生日とき、私は母と父にプレゼントをあげました。私はたいへん父と母を愛してる。姉は、今、中国の中学で働いています。文法の先生です。妹は今、大学で勉強しています。私の家族はたいへん好きです。私の母は親切です。そして優しい母ですから。母の料理が上手です。今、母の料理を食べたいです。でも今日本にいます。食べません。日本へ来る前に、家族といっしょにレストランへ行って、海鮮と焼き魚とサンドイッチを食べました。たいへんおいしかったです。でも、今、家族に会いません。時々、晩、寝てから、会いたくて会いたくて、家族への思い涙そうそう、でも3年速いですね。3年、日本で技術を勉強します。国へ帰ってから家族に会います。こころたいへんうれしいです。
 私の故郷は安陽市の小さい農村です。古いですがにぎやかな所です。いろいろな有名なお土産があります。落花生やとうもろこしなど。私は秋と冬が好きです。秋、果樹園の果実を食べてもいいです。冬、中国は日本より少し寒いです。時々、雪が降ります。雪が降るとき寒いです。でも、たいへんきれいです。そして、私は冬が好きです。冬を愛する人は心広き人ですから。私はたいへん私の家族を愛しています。私の故郷。

             将来の夢

 人間はだれでも自分の夢があります。私もいろいろな夢があります。18歳のとき、自分が好きな服飾デザインを選びました。2年間ぐらい勉強しました。卒業しました。いろんな原因で、主なことは資金が足りなくて工場に入りました。ずっと去年この仕事をしました。今までとても残念なことは、自分がせっかくに勉強した。デザインの夢はずっと叶えませんでした。自分に充分な資金がないと何もできない。もし自分のたくさんのお金があったら、自分の夢を叶えてことができるかもしれません。服飾デザインの店を作ります。だから、自分の能力で自分の夢を叶えことです。今は、息子と夫と離れて研修センターで日本語を勉強することです。あと数日で会社に行きます。
 三年後、私の息子はがっくようになると思います。私は息子といっしょに幸せに暮らしたい。子どもの成長を体験したいです。でも、双方ともに都合がいいことがありません。私は息子の健康と楽しいことを祈ります。私の夫に事業が成功することを希望します。私には弟もいます。頭がいいですから、弟は大学にうかったです。大学を卒業してから、工事の会社で働いています。エンジニアです。私は弟に優しくて善良な恋人がいると思います。
 私の両親は、毎日朝から晩まで一生懸命働いています。とても苦労しています。両親は私と弟にたくさん心血を注ぎ尽くしました。だから私は親孝行をしたいです。私の両親に幸せな暮らしをさせてあげたいです。
 日本はきれいな国です。きれいな山や川や海があります。私は先生がくれた切手から桜を見ました。私は今年東京へ桜を見に行きたいです。日本はほんとに技術が進んでいると思います。もし暇があったら自分で日本語の勉強をして技術を習います。できるだけ病気をしないようにします。健康がいちばん大切です。日本語が上手に話せると日本の生活はもっと楽しくなれると思います。