朝食はふかし芋

毎朝、食事はふかし芋に、野菜ジュース、ヨーグルトなどを食べている。サツマイモは、今年は100パーセント、ネズミにやられずに収穫できた。 これは布山さんにもらった木酢液をときどき散布したのが効果を現したのかと思う。 この木酢液は、布山さんが家の薪ストーブから採取したものかと思っていたら、薪ストーブでは採れない、何か別の農関係の装置で採取したものらしい。炭焼きでは、副産物として採れる。 布山さんは、ネズミの被害を減らすには木酢液がいいと、教えてくれたから、いただいたものだった。その日、歯の治療が終わったとき、布山さんはマスクしたまま、「木酢液、持って帰ってください。 玄関に出しておきますから」と言ってくれた。帰りに玄関を見ると、かなりの量の木酢液がポリ容器に入っていた。 抱えると5キロ以上はあった。
木酢液を使う農法もあり、以前ぼくはホームセンターで購入したりしたものだ。液を薄めて、畑に散布すると、作物が元気になり、よくできる。 また、ノラ猫が納屋など入り込んだりすることを嫌って散布したりもする。いただいた液がまだかなりの量残っているので、今年はネズミ除けに物置に撒いている。
ふかし芋に、野菜を電子レンジでチンしたもの、野菜とリンゴとバナナ、牛乳をミキサーで砕いたジュース、そしてカスピ海ヨーグルトという朝食、リンゴとバナナに牛乳以外は我が家で作ったものばかり。とてもお腹の調子がいい。
一週間ほど前、大豆畑の3分の1の豆を採取した。残りはまだ葉や幹に青みが残っていたから、収穫を遅らせた。昨日、畑の隣に農家のおばさんに尋ねたら、おばさんは畑に入ってきて、
「まだ早いね。黒くなるまで置いておいたほうが、豆がはじけて、取れやすくなるからね。もう数日置いておきましょ。来週の火曜日ぐらいがいいでしょうね」
と言ってくれた。「黒くなるまで」というのは、さやや茎かなと解釈した。なるほど、やはり収穫は10月末になる。子供会のサツマイモ収穫のとき、レンゲプロジェクトの世話人、伊藤さんの言ったとおりだ。そうすると、先に収穫したのは少し早すぎたかな。
最初に収穫したものは、すでにトントンたたいて、豆を分離した。少しばかりまだ未熟な豆もあったが、成熟した黒豆の一粒一粒は黒光りして、ほんに貴重なものに思える。一粒たりとも無駄にはしたくない。軒先に少し干してから、木の台の上にいくらかずつ寝かせて、剣道の竹刀でたたく。自分で手作りの木づちもあるが、竹刀が効果的で、それでパンパンたたくと、豆が弾けるように飛び出す。この竹刀は、奈良の金剛山麓に住んでいたとき、大家さんが中学生のときに使っていたもので、借家に残されていた。借家をまるごと提供すると言ってもらっていたから、安曇野に持ってきたのだった。竹刀は軽く、長さも手ごろで、たたくときの力加減もちょうどよい。物置に眠っていたものが思いがけず役にたった。豆は、軒に干したところの下の犬走りに点々と落ちており、運んだ車の荷台にも落ちている。それらも残さず拾う。豆たたきの作業をしたブルーシートの上に、たたいた後のさやと豆が小さな山になる。夕方になって風が出てきた。その風を活かして、両手で豆とさや、屑をすくい、持ち上げてばらばらと落とすと、さやと屑は少し向こうへ飛んでいく。ある程度いらないものを飛ばしてから、唐箕にかけようと思う。