「緑の党」をこの地にも


緑の党」が日本にもできる。60人余の地方議員らによる政治団体みどりの未来」(共同代表・須黒奈緒杉並区議ら)が国政への進出をめざして来年旗揚げするという。先日、11月20日、東京で呼びかけ集会が開かれた。「ドイツ緑の党」の連邦議会議員が集会で、「広島、長崎、福島、日本ほど緑の党を必要としている国は世界にない。」と激励したということだ。
 「みどりの未来」は、2008年11月22日に生まれた。
 古い政治スタイルを根本的に変えなければならない、新しい政治は、市民、国民による参加民主主義と熟議から生まれると呼びかけた。
 それから2年半後、3・11、大地震、大津波原発の大災害が日本を襲った。今こそ変えなければならない、変わらなければならない。自分の生きているその地において、やらなければならない。
 3年前、有志たちは次のように呼びかけている。
 


  みどりの未来」 呼びかけ文  
 エコでピースな、みどりの未来
  「みどりの政治」を一緒につくりませんか


  「オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。
  死んだ川にどうやってサケを呼び戻すのか、あなたは知らないでしょう。
  絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。
  そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのか、あなたは知らないでしょう。
  どうやって直すのか分からないものを壊し続けるのはもうやめて下さい。」
     「あなたが世界を変える日」(セヴァン・カリス=スズキ/著 ナマケモノ倶楽部/編・訳 学陽書房)より


 1992年。リオで開かれた国連の地球環境サミットで、当時12才の少女が、世界各国のリーダーの前でスピーチをしました。
 2008年。世界は、1929年の世界大恐慌以来の金融危機に直面しています。原油や食料が投機の対象となり、私たちの生活を支えるはずの営みが、マネーゲームに左右される世界。先行きの不安が増す中、年金・医療・介護のセーフティーネットはほころび、不安定雇用に苦しむ若者がまちにあふれています。食の安全は崩壊し、環境問題を叫びながらも大量に作り、使い、捨てる経済・・・。さらなる利潤を求めて暴走する投機マネーは、社会の安全・安心も、地球環境も、破壊し続けています。
 無限の経済成長を前提とする経済社会システムが行きつく先に、本当に豊かな社会はあるのでしょうか。
私たちは、地球環境と共存できる、持続可能で、身の丈にあった営みを望みます。富を一握りの人が独占することのない公正な社会。資源を戦争で奪い合うのではなく、分かち合う世界を望みます。そして、多様な価値観が認められ、草の根の市民活動が支える社会を望みます。
 リオの少女は、こうも言いました。
「もし戦争のために使われているお金を全部、貧しさと環境問題を解決するために使えば、この地球はすばらしい星になるでしょう。私はまだ子どもだけど、そのことを知っています」
 私たちは、この少女の言葉を「子どもの言い分」だと、笑い飛ばすことはできません。社会は、私たちの選択によって変えることができるからです。右か左かではなく前へ! すでに同じ想いをもつ人々による、さまざまな市民活動は、草の根で確実に広がっています。私たちは、そういった人々と力をあわせ、自分たちが目指す社会の実現に向けてのロードマップを、具体的な政策に高めて、提案していきます。そして、それらを実現するためのキャンペーン、選挙、議会活動に積極的に取り組みます。
 そのための受け皿として、日本に「みどりの党」をつくりたいと活動してきた「みどりのテーブル」と、みどりの理念を基盤として、無所属市民派自治体議員を中心に活動してきた「虹と緑の500人リスト」が組織合流し、全国ネットワークとして新たな一歩を踏み出します。NGO・NPO、市民と自治体議員が、それぞれの持ち味と力を合わせ、高めあう、新しい政治スタイルへのチャレンジです。
 地域、現場からこそ、公正で持続可能な社会に向けての新しい風を!
 自分たちが望む選択肢は、自分たちでつくる。未来は私たちの手の中にあります。ぜひ一緒に取り組みませんか。私たちの未来のために。子どもたちの未来のために。
    (2008年11月22日)


    共同代表あいさつ 未来のあなたへ

青空の下、あふれるみどりの中で深呼吸をしたり
大切な人と星空をながめながら話したり
そんなひと時を楽しみに思うキモチ…持てていますか?
 
そもそも私たちは、きれいな青空や星空、豊かな土や緑を、
あなたたちに、そのままで残せたのでしょうか?

私たちは、豊かな自然と安心の社会を未来のあなたにつなぎたい。
だから、温暖化を進める石油や石炭への依存を減らしたい。
人類の手に負えない死のゴミを出す原子力エネルギーにも依存したくない。

私たちは、戦争のない世界をあなたに渡したい。
だから、資源の奪いあいや戦争をせずにすむ、
思いやりの産業構造をこの国の基礎にしたい。

「誰かを幸せにしていることを実感できる仕事」を、ゆったりとやっていきたい。
「誰かを幸せにしていることを実感できる税金」を、きちんと払っていきたい。
そのためには、なによりも政治や政府が信頼されてなくちゃ。

私たちの国は民主主義の国。
だから、政治を変えるのはどこかの誰かじゃなくて、私たち一人一人しかない。
自分たちの未来を一部の人におまかせにするのではなく、気づいた人から、自分にできることを担っていく。

私たちは「みどりの未来」のいろんな活動を通じて、
政治の中に「自分たちの望む選択肢」をつくりたいと考えています。
みどり豊かでこころ豊かなこの地球を、未来のあなたに引き継げますように。
       みどりの未来共同代表(2008.11〜2010.9)稲村和美



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