住民投票は市民の政治参加<未来のビジョンを画いて>


安曇野市新庁舎建設の可否を市民の直接投票で決めようではないかという住民投票条例制定の署名運動が始まっている。


安曇野市の借金は、現在900億円。
そこへもってきて安曇野市新庁舎の建設計画は80億円と見込んでいる。


日本の国の借金は、880兆円(国債だけでも)。
東日本大震災の復興、日本経済の建て直しなど、財政難の国はますます火の車だ。
それでも、合併特例債の関係から新市庁舎を建設を市長・市議会の推進派は急いでいる。


新市庁舎建設費用は80億円だが、合併特例債があるから27億円で済む、というのが推進の言い分である。
しかし、特例債にも利子がつく。年1.8パーセントで計算すると、8億円の利子になる。
そして実際に建設にかかると、さらに費用がかさんでくる。
そうすると市民の負担は40億円を越えるんではないか。


魅力ある、住みよい安曇野市にするために、今何をすべきか、何が大切か。
借金を返済するのは市民。
昨年末から行われた市民によるアンケートでば、87%の市民が80億円をかけて新庁舎を建設することに反対。多くの市民が、居住区にある旧町村役場の総合支所の充実を望んでいるのは、行政府が市民から遠ざかっていると感じているからだ。


市民の政治参加が乏しいと、魅力ある安曇野市をつくるエネルギーもわかない。
賛成するにしろ、反対するにしろ、住民投票するとなると、話題にもなるし、考えもする。情報も集めるだろう。賛成、反対、多様な意見があって当たり前、それをみんなで協議するステップが住民の社会参加を高める。そうすれば、安曇野市民の意識も鍛えられる。
住民投票は、安曇野市をこんなコミュニティにしたいという、それぞれの希望と理想の掘り起こしにつながっていけばいいのだが。
どんな安曇野市にしたいですか。
農業は? 産業は? 子どもの教育は? 環境は? エネルギーは? 地域の相互扶助は? 芸術の振興は? ‥‥
10年後、30年後、100年後を画いて今何をなすべきか、その構想に発展するステップにしたい。


それにしても、市長や市議、市役所職員は給料を得て、ことを進めている。
住民運動の側は、みんな手弁当で、身銭を切ってやっている。自分の仕事の合間にやっている。
市長や推進派市議団は、そういう市民運動の担い手をどう思っているだろうか。もし邪魔者とみなしているとしたら、これはとんでもない市民への裏切りになる。
市民のこの運動を歓迎する行政であってほしい。


これから署名を集めに出かけようと思う。


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