ハクセキレイの巣立ち完了



あれから後、ハクセキレイはどうなったでしょうか。
納屋の土間に身を寄せ合った4羽のヒナ鳥は、親鳥がもってくる虫を食べて、次第に成長しました。
尾羽はやがて2倍ほどの長さになり、しかしまだ親鳥に及ばない。
ヒナたちはそこらじゅうに白い糞を落とし、土間は鶏舎のようなありさま。


1週間ほどして、親の餌運びが緩慢になり、
あまり来なくなりました。
おい、おまえたち、もう飛び出せよ。
いつまでもここにいるなよ。
こちらの心境は、ちょっと厳しくなってきました。
ヒナたちのお陰で、納屋のなかへ入りにくい。
いつまでものうのうとしておられたら、困るなあ、という心境です。


親鳥が屋根の上から部屋をのぞき、
促すように鳴きました。
いよいよ本当の巣立ちが近いようです。
ドアを開けっ放しにしました。
する「と、いつのまにかヒナ3羽がいなくなりました。


サツマイモとカボチャを植えた畑の上を飛んだり走ったりして、餌を探しているハクセキレイがいます。
ヒナだった鳥です。
残っている1羽は翌々日に自立しました。


野鳥の会の記録を見ました。
「100個の卵があるとすると、26%が孵化前に失われ、
残り74 %がヒナとなっても、その30%が死に、
残り52 羽が巣立った。
第1年度にその80%が死に、残り10 羽が繁殖した。」


今年もまた捨て猫か、野良猫の子か、
6匹の子猫が隣の空き家の軒先にいます。
てっきり捨て猫だと思って、役所に連絡したら係の人が二人来てくれました。
隠れていた2匹をつかまえ、段ボール箱に入れてもって帰ってもらいましたが、
4匹は逃げてしまいました。
その翌日、親猫が子猫を探して鳴いています。
そうか、野良の子だったか。
悲しそうな嘆くような鳴き声に、心がきゅっと締め付けられるようです。
猫の親も人間の親と同じだなあ、と思いました。
あの逃げた子猫たちはその後も姿が見えません。
親猫の嘆き声は、4日続きました。
親が捜しても帰ってこない子らは、カラスにやられたか、
キツネにやられたか、
無事ではありますまい。
子どもが育つのはなかなか大変です。
野良ネコは冬を越すのがいちばん難しい。
ほとんど飢えて死んでいきます。