今朝、氷点下5度

  凍った小松菜と太陽が当たって凍結がとけた小松菜


この前の氷点下4度で、庭の植物がいっぺんに変化した。
つるを伸ばしていた雲南百草の鮮やかな緑葉が、夜があけたら完全に黒くしおれてしまっていた。
おかげで朝の野菜ジュースの素がひとつ減った。
アジサイも、まだ実を付けていたピーマン、ミニトマトの葉も黒っぽくしおれた。
暖かい秋の大気の中でなんとか元気に生き延びていた植物が、一瞬で細胞を破壊されてしまったようだ。
今朝は氷点下5度、霜をかぶった小松菜の葉は、折るとぽきりと簡単に折れてしまう。
ところが冬に強い小松菜は、凍った細胞を昼の気温でまたよみがえらせる。
ブロッコリーも、青々と生気をみなぎらせている。


先日、ご近所のOさんから、芽を出したばかりの小さなパンジーの苗をもらい、指先で慎重につまんで植えておいた。
1センチにも満たない小葉は、草にまぎれてしまいそうで、どれがパンジーかなと眼で探さなければならないが、
葉っぱの形からそれと分かり、無事活着して霜にも寒さにも負けずに育っていて、春が楽しみ。
奈良で栽培していた小麦の種が残っていたから、少し観賞用にまいたら、1ミリほどの小さな芽がピピピと出始めた。
近くの田んぼでは、麦は10センチほどに育っている。
ツタンカーメンの墓から見つかったという伝説のエンドウ豆、そういうものは墓から出ていないとエジプト考古学の吉村さんの言うそれを、
白馬村に住んでスキーをやっている友人に去年の夏もらい、
それを今年の早春に播いて収獲した種を、再び11月に小麦と同時期に播いたが、これはまだ芽の出る気配がない。
霜柱が立っている土は、固く凍っている。
「エジプトのえんどう」にとっては、時期が適切でなかったかもしれない。


御所の名柄に住んでいたとき、大家さんの木村さんが植えられたのだろう、ニオイスミレが木陰にあり、
ぼくらがそこに住んでから肥料をやって世話していたら元気に繁殖を始め、早春にいい香りを漂わせていた。
その一部を安曇野に持ってきて、植えておいたら、
それは、ここの風土に合うのか、少しずつ勢力を伸ばし、
この寒さの中でも、紫の小さな花をつけている。


ベゴニアも、コリウスも一晩の氷点下にやられた。
だが、バーベナはまだ咲いている。
細葉のハボタン、白妙菊は、雪も霜もへっちゃらで元気もりもり。


近隣の畑で育っている野沢菜は、どでかく葉を広げ、元気すぎるほどで、
ところが、北信濃ではこの雪でぽきぽき茎を折られたということだ。


植物の細胞のどこがどう異なるのか、
氷点下何十度でも生きるもの、
酷暑でも生きるもの、
生きている姿はかわいい。
枯れても春にまた芽を出す姿もかわいい。


お昼になると気温がぐんぐん上がり、
畑の畦に、なにやら飛んでは止まるものがいる。
目を凝らして見ると、なんと赤とんぼではないか。
お前、よくまあ生きていたもんだ。