野菜の種

 野菜の種袋には、何年何月までという有効期限が印字してある。大体製造してから1年余、しかしその期限内に種を全部播くことはあまりない。大概余ってしまう。余った種は捨てるにしのびず、期限と言っても目安だから、結局期限後に播くこともある。
 今春もその期限切れを播いた。4月初めに播いたのは、霜や寒さによって発芽しにくいだろうからと、霜避け、寒さ避けに、二重になったビニールシートを畝の上からかぶせた。こうすれば地温も上がる。地温が低いと芽は出ない。4月下旬になるが朝はまだ霜が降りる。
 散水はこまめにやった。必ず土が濡れている状態にした。
 播いた種は、小松菜、人参、春菊、大根、うまい菜、キャベツの6種類。苗を購入して植えたのは、サニーレタス、リーフレタス、キャベツの3種類。ショウガの球根はこれから植える。ジャガイモの種芋植えは終わった。
 野菜の種、最初に芽を出したのが小松菜、つづいて大根、春菊、そしてうまい菜が米粒ほどの芽を出した。人参とキャベツはなかなか芽が出ない。これは種が古かったか、と急いで人参の新しい種を買ってきた。ところが、畝をよく観察すると、なんだか小さなヒゲのような芽がピピと出ているのが数本見えた。ひやっ、芽かもしれんぞ、と水を欠かさず、夜は覆いをしていたら、間違いなく人参の芽だと分かってきた。だが、発芽のむらがある。いっこうに発芽してこないところもある。
 人参の種は極端に小さい。播くとき指でつまむと、一粒の種の感触は微細でかすかだ。よく湿らせた土に播いて、上からかぶせる土は2ミリか3ミリほど。厚過ぎると発芽しない。デリケートな種だ。
 人参の発芽は今のところ、3割ぐらい。春菊は、初めは好調な感じに芽を吹いていたが、今日気づいたのは、どういうわけか芽の消えているところがある。霜にはあてていないし、日中はビニールシートの覆いを取り外して熱がこもらないようにしていたが、午前中、覆いをそのままにしていた時もあったからそれが原因なのか、原因はよく分からない。さらに米粒ほどのうまい菜の芽は、遅々として大きくならない。大根の双葉は、小指の爪ほどになった。
 ポットに播いたキャベツの種は、やはり発芽力をなくしていたのかもしれない。小さな芽が出ているのは雑草のようだ。
 レタスは順調に大きくなっている。冬を越してきたキャベツは、やっと球を巻きだした。

 樹木の芽吹きも、早いのと遅いのと差がある。バラ類が元気な芽を出している。白樺、ブルーべリー、ボケ、梅花ウツギも芽を出した。
スモークツリーはとうとう枯れたようだ。