水やりの効果
猛暑日がつづき、植物が悲鳴を上げている。
毎日の庭への水撒きは夕方の一仕事だ。
去年引越しして来たとき、庭は草も生えないような石ころだらけの無機質の土がむきだしで、
そのなかに、松とツツジ、ハナミズキ、梅が少し植わっていた。
保水力はないし、日陰もないし、連日の直射日光は遠慮会釈なく土を乾燥させる。
こりゃ、なんとか土づくりをしなけりゃと、
烏川渓谷から落ち葉を山のようにもらってきて、露出した土に敷き詰め、
田畑の畦から落ちて道路端に堆積した土を、鍬とスコップを使って一輪車に載せ、
何十杯と運んできて庭に入れた。
公民館と公園の、草と落ち葉の捨て場は、有機質がいっぱいの腐葉土になっているから、
ここからもたくさんの土をもらって車につんで運んできた。
おかげで道路は数百メートルにわたってきれいになり、
埋もれていた道路の白線が現れ、
公民館のごみ捨て場もすっきり片付いた。
そして、庭の中には、野菜を少し植えることのできる畝と植木を植える場所ができた。
いま植えている野菜は、小松菜、ねぎ、ラディッシュ、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、
植えた苗木は、奈良から持ってきたザクロ、ブラックベリー、山茶花、アジサイ、バラ、その他、
こちらで新たに買った苗木は、白樺、ヤマボウシ、ライラック、ヒメコブシ、コシアブラ、スモッグツリーなど。
毎日、朝食では、小松菜とバナナ、リンゴ、牛乳をミックスしたジュースを洋子がつくってくれる。
これは実においしく、コップに2杯飲むと、体中に精気がみなぎってくるようだ。
自家製野菜はありがたい。
夕方、バケツやジョウロで水をまきながら、野菜や草木を観察するのは楽しい。
水まきしていても、いくつか、水不足の症状が現れているのがある。
根っこまで水が届いていないようだ。
水やりは朝がいいという記事が、NHK出版のテキスト「趣味の園芸」に載っている。
えっ、朝?
鉢植えについて書いている記事だが、
地植えについても言えることのように思う。
朝、気温が上がる前の水は酸素を多く含み、
根からの吸収が早い。
そこで光合成が活発になる。
気温が30度を越すと水温は上がり、水中の酸素はがくっと減る。
土の温度も高くなり根は水を充分吸収しなくなる。
日中、植物の葉は光合成を行い、空気中の二酸化炭素を吸収して酸素を出し、
根は逆に酸素を吸って二酸化炭素を出している。
だから常時水をやって鉢内に停滞水があると、酸素がなくなって根が窒息してしまう。
表土が乾いたら、朝にたっぷり水をやると、根の張りを良くし、根腐れを防ぐ。
水やりは、新しい空気を鉢内に送り込む働きをするのだという。
それから鉢植えはもちろん、地植えについても参考にして、
水やりをすることにした。
見事に元気になったのは、ヤンさんから贈られた朝顔、
日射を減らす為に場所も変えたら、花が次々咲き出した。
植物のことは植物に聞け、とは、こういうことだなあ。