和解する人間


     人間は和解する


在日韓国民団と朝鮮総連が和解するというニュースだ。
ほんとう?
あの半世紀にわたる長い対立状態にあった両組織が、
和解に向けて動き出したというのか。
韓国と北朝鮮の対立のなかで生まれた二つの組織は、
歴史にほんろうされてきた。
日本の国の中にいて、民族を引き裂かれた。


だが、和解への意志はうまれていたのだ。
日本人は突然のことのように思うが、
彼らにとっては民族の統一は悲願だったから、
和解への模索はあった。
そうしようとする意志がうまれたとき、
過去にしばられず、未来の希望に向けて、
人は和解への船を漕ぎ出す。


個人と個人、組織と組織、
民族と民族、国と国、
対立は人をしばる。
対立は膠着状態におちいる。


和解なんてとんでもない、
和解なんてしたくない、
和解は裏切りだ、
相手の方が悪いのだ、
感情が人を拘束する。
理解と寛容を拒絶する。


けれども歴史は動いていく。
和解に向けて、リーダーシップを発揮する人が登場し、
動きを作り出し、
両者がしっかり向かい合って未来を語り合うとき、
両者の希望が友情を生み出す。