からくり


       からくり

    
こんな新聞投書を読みました。
人間の頭と人間社会の『からくり』をとらえていると思いました。


A 一つは、こういうことです。
永田議員はガセネタを元にして、国会で武部氏を攻撃した。
民主党の拙劣未熟さには愛想がつきるが、
では、有る有ると言われたイラク大量破壊兵器は無かったというガセネタは、どうなるのか。
イラクのガセネタで他の国をまきこみ、何万という殺戮が行なわれた。
ガセネタを許せないとする与党・政府は、こっちの大きなガセネタでアメリカに加担し、イラク自衛隊まで派遣しているではないか。
小泉首相に明確な回答を求める。


B もう一つは、こういうことです。
小泉首相は、中国の首相が靖国神社参拝を批判したことについて、
戦没者に哀悼の念を持って靖国神社に参拝する。これは心の問題ですから、何も問題あるとは思っていません。」
といつもの考えを述べた。
「心の問題」だから、個人の自由である。
では、国歌を歌うように、処分も含めて強制しているのはどうなるのか。
歌いたくないという生徒の心、生徒に歌うよう強制したくないという教師の心は認めないのか。それは「心の問題」ではないのか。


Aのようなケースはいくらでもありそうです。
Bに関しては、中韓には中韓の心があります。


今、教育基本法を変えようという動きが進んでいます。
愛国心を盛り込もうということのようですが、国歌についてはすでに東京の学校で厳しい強制が行なわれています。
愛国心を法律で強制して教育することができますか。
人を愛する心、家族を愛する心、ふるさとを愛する心、
国を愛する心、地球を愛する心。
愛する心をどうやって涵養する?
角を矯めて、牛を殺す。
そうなっていくでしょう。


教育基本法』にこうあります。
われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、
世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。
この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、
普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。
〔教育の目的〕教育は、人格の完成をめざし、
平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、
自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
〔教育の方針〕教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。
この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。