ガンジー


       ガンジー


ガンジーの会」というところからメールが来た。


あなたの「宮柊二・一兵卒の歌」を、
ガンジー村通信」に転載させてほしいです。
ガンジーの会」は、自衛隊イラク派兵に反対して、
2004年1月26日以来、24時間のハンガー・ストライキを、
インターネットでつないでリレーしているグループです。


宮柊二の短歌四十数首についてぼくのホームページに書いた文章の転載依頼だった。
ガンジーの会」とは何だろう。
インターネットでその会のホームページを調べてみた。


私たちが歩んできた道を振り返るとき、
私は、一人の市民として、ガンジーの 「市民の不服従」という言葉に倣って言えば、
「市民の不承認」として、自衛隊イラク派遣に「ノー」と言わざるをえないのです。


彼らはハンストをしていた。
自らの生活の場で、自らがやろうと決めたその日の正午から、
翌日の正午まで24時間のハンストを行い、
会のホームページを通じて次の参加者にリレーしていくという全国的な運動。
ハンストを行った人の名前やその報告、
24時間の絶食行動に対する注意事項が綿密に書かれている。


つくられる情報をうのみにして、
一つの方向へと束ねられていくとき、
国の大きな流れは、押しとどめることのできないものになっていく。
あなたまかせの、なるようにしかならないとあきらめる
無力感が国を覆いだす前に、
自分の意志でできることがあるならば、
それをやってみようという運動だった。
ほとんどマスコミに取り上げられることもなく、
人に知られることのない行動が、こうして行われている。


インド独立に向けた不服従運動の中で、ガンジーはこう呼びかけた。


インドの命運は糸車にかかっています。
英国の綿製品がインドに流れ込むようになって以来、
人々は糸車をしまいこみました。
それがインドから繁栄を奪い去ったのです。
糸車はインド人の暮らしにとって空気や水と同様に欠かせないものだったはずです。
どうぞ、ほこりをかぶった糸車を取り出して、
インドの糸を紡いでください。
イスラム教徒もヒンズー教徒もみんなで糸を紡いでください。
非暴力は暴力に対して真理を代表する力です。
非暴力はこんこんと湧き出る魂の力です。
暴力を振りかざすヨーロッパのやり方をインドはまねるべきではありません。
剣を手にしたとき、インドはもはや私の心の誇りではなくなるでしょう。



ヒンズー教イスラム教は協力しよう。
協力し合う社会は糸車の復活によって生まれてくる。
糸を紡ぎ、畑を耕して、非暴力の社会を実現していこう。
農業と手工業に従事して、必要なものを生産し、
それを譲り合えば平和に暮らしていける。
インド全土に糸車の響きをもう一度よみがえらせよう。


イラク派兵に反対する11人の人たちが考えたネーミング、
ガンジーの会。
柊二は自らの戦争体験をぎりぎりのところから歌にした。
ガンジーの会」の通信に、宮柊二の歌が載るだろう。