突如、秋到来

 

 

 この夏の猛暑、水不足だったが、ナツメ(棗)の樹はたくさん実をつけた。

 旱魃気味の初期にできたナツメの実は小さく、既に茶色になり、水分が少なくて、しょぼくれている。あとからできた白っぽく薄緑の実は、ときどき水を樹の根元に補給してやったこともあって、大きく、つやつやしている。熟す一歩前のはち切れそう、甘くておいしい。一個を口にほり込んで、かみながら歯と舌でクルクルと種だけ分離し、種を口から出す。一個食べると、また一個を食べたくなる。脚立を使って樹の上の方の枝から大きめの実をもぐ。

 このナツメ、中国では2500年前から食べられていたらしい。ヨーロッパや日本では1500年前ごろ(奈良時代)から食べられていた。素朴な野の甘味。一本の樹に、何百個、いや千個はできている。

実を摘んで、ご近所さんにお分けした。ワンちゃんのサニーと愛ちゃんを連れて散歩する、前山さん夫婦にも、一袋準備しておいて、今朝プレゼントしたら、奥さんが早速、一個を取り出して口にほり込まれた。

 「私たちもナツメ、植えたいと思ってるんです。」

 一本ナツメの樹があると楽しみになる。

 

 この夏、キュウリもたくさんの実を提供してくれた。それも葉は枯れ、終わりになった。ゴーヤとナスはまだ実をつけている。いま種から育ちつつあるのは、大根、カブ、野沢菜、ホウレンソウ、小松菜‥‥。