野のベンチ

 

見渡す限り輝く緑 大地から噴き出す緑。

「野のベンチ」の横に、もう一本、ムクゲを植える。

ツルハシを持っていって、植え穴を掘り、

背丈近くまで生長していたムクゲ

手押し車に乗せて運び、

穴に土付きの根っこを入れた。

周囲の土をかぶせて、足で軽く踏み固める。

得意の 電光石火の早業だ。

ベンチをはさんで、

左と右に、ムクゲの花が やがて咲く。

廃材を使った ぼくの手作りベンチ、

ゆっくり腰を下ろす。

常念岳、蝶が岳の雪もわずかになった。

山を眺めていたら、歌いたくなった。

 

  朝もや こめて  カッコーが 鳴く

  かなたの 森に  カッコーの声

  カッコー カッコー

  カッコー カッコー

 

ヨシキリも しきりに鳴く。

 

朝の散歩、夕方の散歩

白いラブラドール犬を連れた 前山さん夫妻に出会う

犬の名は、サニー。

もう一匹、小型犬のアイ。

サニーはよくなついて なついて

体を すりよせてくる。

ぼくは サニーの身体を なで さする。

どっと 元気が湧いてくる。