モーツァルト

 

 

    続・大木実の詩

 

    地元の本屋さんで、レコードとCDのバーゲンをやっていた。たくさん並べられたそれらは、定価よりはるかに安い。ベートーヴェン交響曲モーツァルトのピアノコンチェルト10セット、ショパンピアノ曲、すべてのCDはドイツやスイスの名演奏、それを買ってほくほくして持ち帰り、聴いている。

    大木実が、「モーツァルト」という詩を書いた。

 

 

       モーツァルト

 

    死ぬということは

    モーツァルトを聴けなくなるということだ

 

    アインシュタインがそう言ったそうだ

    その本を僕は読んでいないので

    言い方が違っているかもしれない

 

    生きているということは

    モーツァルトを聴けるということだ

    何を聴こうかと選ぶに迷い

    今夜もひとときひとり聴く

 

    この深いよろこび

    この大きな幸せ

    生きている間 生きているかぎり

 

 

     この詩を読んで、「そうだなあ」としみじみ共感の思いがこみあげる。

     買ってきたCDを順に聴く豊かさ、幸せ。

     平和であるということはモーツァルトを聴けるということだ。

  ウクライナに早く平和な春が訪れてほしい。