東北農民管弦楽団の記事

 

 昨日、朝日新聞の「ひと」欄に、東北農民管弦楽団を設立した白取克之さんの記事が出ていた。

 白取さんは、中学生のときに、宮沢賢治の作品『セロ弾きのゴーシュ』にあこがれてチェロを始めた。そして宮沢賢治が教え子に、百姓になれと諭したことを知る。賢治は、農民生活に芸術を取り入れようとし、農民楽団、労農芸術学校創設を志したが、若くしてこの世を去った。白取さんは大学農学部を出て北海道に渡ったとき、農民楽団でバイオリンを弾いている牧場主に出会った。それがきっかけになった。白取さんは33歳、岩木山麓を開墾して農場を開く。そして10年後の2013年、東北地方に農民オーケストラを創ろうと動き出し、東北農民管弦楽団を創設した。拠点は花巻市、オーケストラのメンバーは農閑期に活動する。演奏曲にベートーヴェン「田園」、ドボルザーク新世界より」など賢治ゆかりの曲が入っている。今、団員は70人、曲の響きは「土のにおいがする」と讃えられている。

 

 この記事は、ウクライナ侵攻や強盗事件などの暗い事件記事の載っている新聞記事のなかで、さわやかな喜びをぼくの心に呼び起こした。