昔の仲間からの手紙

 

 

    二十数年前の、「学育研究会」の熱心な仲間であり小学校教員だった東京の雅実さんから、心温まる手紙をいただいた。

 

 「なつかしいです。やっと分厚い小説『夕映えのなかに』を読み切りました。生徒とのすごい生き様を感じながら読みました。

 私は小学校教員で、中学とはずいぶん違いますが、私はクラスのボスになり、子どもと一緒に遊び、たばねながら、めちゃくちゃ好き勝手なことをしていました。先頭に立って悪ふざけをしていました。‥‥

 四十代のころ、斎藤喜博の教授学研究会に入り、瑞穂第三小学校で六年間の全国公開授業をしました。島小、境東小、退職後全国の小学校を、斎藤喜博は授業行脚されました。

 学校とは何ぞや、その学びは私の教職人生の糧となっています。 

 それから林竹二も、むさぼるように読み、写真集も買いました。自由の森学園も何度か公開授業を観ました。雑誌『ひと』を愛読し、板倉さんの仮説実験授業や作文の会に参加し、賢治の作品を劇化し、光太郎の最後の住まいも尋ねました。

 私も授業でつかった木下順二の『あとかくしの雪』への想いは強いです。

 吉田さんと同じような体験をしていたんですね。

 私は秋田の生まれで、高校までは百姓の子として秋田に居ました。高校卒業後上京して夜学で学び、だからなのか賢治、光太郎、啄木が好きです。

 今私は、母の介護の毎日です。母は一人でできることは少ないけれど、生きる力を持っており、みんなのお世話で生かされています。いずれは自分も通っていく道です。

 この暑さ、夏、コロナを乗り切りましょう。」

 

 ありがとう、なつかしい雅実さん。