歴史に向き合う態度

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 かつてアメリカはベトナムと戦争をした。ベトナム戦争(1960年~1975年)はベトナムのたくさんの人の命を奪い、国土を破壊した。アメリカ兵も死んだ。

 アメリカ国内に、日本に、世界に、ベトナム戦争に反対する大きな運動が湧きおこった。アメリカは、ベトナムから撤退した。

 それから後に、ベトナムアメリカの政府トップによる何度かの対談が行われた。あの戦争は何であったのかを究明する対談だった。

 ぼくはその記録を、中国の武漢大学の図書館で読んだ。 

 

 アメリカのロバート・マクナマラがその時の対談について語った。

 「私はこの対話を経て、アメリカ、ベトナム双方の判断が誤っていたと確信しました。アメリカは、北ベトナムが、ソ連と中国の手先となって、アメリカの安全保障を脅かすと判断し、戦争に突入しました。しかしその恐れがないのなら、南北統一に反対する気はありませんでした。私は今、ベトナムソ連や中国に利用されることなど望んでいなかったのだと、理解しました。これは今日のアメリカの得た教訓です。

 私たちアメリカは、イスラム社会についても理解しているとは到底思えません。正直に言えば、中国についても理解しているように思えません。」

 マクナマラの思いは、あの戦争をする必要はなかったのだ、ということだった。

 一方、ベトナムのドンフィンが語った。

 「戦争が終わった後、アメリカとベトナムは、あの戦争は何であったかを議論し、検討してきました。そしてアメリカでは、あの戦争についての多くの本が出され、80パーセントの高校や、大学で、ベトナム戦争についての講義が行われたことを知っています。アメリカが、ベトナム戦争について忘れようとするのではなく、より良い未来のために、歴史に向かい合い、歴史に責任を持とうとしていると、私は感じます。過去を忘れる人間は、同じ過ちを繰り返します。対話を経て、アメリカはベトナムを理解し、私たちはアメリカの、歴史に向き合う態度を理解したように思います。」

 

 ロシア首脳よ、この事実を知っているか。