生物界の異変



建築中の工房のなかへ、ハトがわらくずのようなものを運んでいる。
あれっ、ハトまで巣づくりかあ、
工事中の建物の梁の上に、ハトのつがいが止まっている。
ハトさんよ、ここは工事中だで、巣をつくらんでくださいよ。
かみさんが棒をもっていって、外へ出て行ってもらった。
梁の上に、枯れ草などを運んでいたらしい。
玄関の軒のツバメさんは、いまヒナが産まれて、親ツバメがえさを運んで育児中。
そして例のハクセキレイにつづいてハトまでも、我が家に巣をつくるとは、よほど住みやすいのだろう。


例のハクセキレイ、健在が判明しましたよ。
一時姿が見えなかったのは、巣の中で卵を抱いていたんだなあ。
かみさんが、納屋の棚の中でチイチイ鳴く声を聞いたと言うから、
ヒナがかえっているらしい。
せっせとえさを運んでいる。
このごろ、納屋の戸を開けておいたら、そこから出入りするようになった。


畑の草欠きをすると、虫が出てくる。
それが目当てで、こちらが畑で仕事を始めるとすぐにセキレイは飛んできて、
1メートルほど離れたところの畑の土をほじくり、
虫が見つかると、くちばしにくわえて巣にむかう。
毎日セキレイ接触していたら、そのうちに肩に止まるようになるかもしれん。
ハトやセキレイも人家に巣をつくるようになったということはどういうことだろう。
安全で雨風を防ぐことができて、巣をつくる場所の確保ができる。
便利なところを発見したということだろう。
そして人間の近くにいたら虫も取れるかな。
進化の過程の共生か。


タマネギの種作りをしている裏の畑のKさんが、
やっぱりミツバチが減少しているという。
タマネギの種もミツバチが交配してくれてできる。
ミツバチがいなくなったら、ことは重大だ。
カエルも鳴かなくなった、とKさん。
たしかに声が少なくなった。
「蚊もいませんねえ」
と言うと、
「ボウフラのわくところがないね。」
そうですねえ。
このあたりは、ため池がない。
コンクリートに整備された水路ばかりだから、泥のない急流ではドジョウもメダカも住めなくなった。
そこへもってきて農薬の影響が出ているのかもしれない。
モンシロチョウの飛ぶ姿もわずかだ。
花アブの姿もあまり見ない。
天候の関係か、
ここは標高700メートル以上あるからそれも関係するかな。


それにしても、
環境になにか異変が起こっているような気がする。