C・W・ニコルさんが死去した

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 黒姫山に住んで森づくりをしていたC・W・ニコルさんが、死去した。残念。

 ウェールズの出身。探検家でもあったし、小説を書いたり、自然保護運動をしたりしてきた、彼は『TREE』という本にこんなことを書いてる。

 

 「私が生まれた家のすぐ近くに、川の流れる小さな緑の谷間があった。川は下流の貯水池に流れ込んでいた。谷間の森には大きな古い木がたくさん生えていた。子どもの頃、私はとても体が弱くて、医者から激しい運動をいっさい止められていたほどだ。そんな私を心配した祖母は、あるときまわりに誰もいない時を見計らって、私の耳にそっとささやいたものだ。

 『あの谷間に行ってごらん。一人だけで行って、年取った大きな木を見つけるんだよ。できればオークの木がいい。オークの木は魔法の木だからね。これだという木を見つけたら、その木に向かって、兄弟になってくれと頼むんだよ。その木をしっかり抱きしめて、木が鼓動するのを感じとり、自分の秘密を打ち明けて、かわりにその木の秘密を教えておもらい。それがすんだら、てっぺんまで登って、その木の呼吸を吸い込むんだよ。そうすれば、木はおまえの兄弟になって、おまえを守り、強い子にしてくれるからね。』」

 三十年ほど前、夏に黒姫山のニコルさんの森を訪れたことがある。コンタクトなしで行ったから、ニコルさんには会えなかった。

 彼のアファンの森を散策しただけだったが、伝わってくるものがあった。