駅ピアノ

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 「駅ピアノ」、「空港ピアノ」のドキュメンタリーが大好きだ。置かれたピアノを自由に弾く人たちの様子を、設置されたカメラがそのまま伝える。

 今朝、家内が録画してあったイギリスの「駅ピアノ」を観た。

 駅のコンコース、人々が歩いている。そこに置かれたピアノを見つけて、やってきた人がおもむろにピアノを弾きだす。

 字幕には、曲名と作曲家の名が出る。弾く人がどんな人なのか、簡単な紹介が出る。店で働く人、失業者、小学生、ホームレスなど。

 11歳の息子と70歳の父が並んで仲良く弾きだした。59歳の時に生まれた子だ。息子の顔の感じからすると、母は外国の出身かもしれない。

 アフリカのナイジェリアからイギリスに移住してきた黒人男性が愛の歌を弾きだす。傍らにいる女性はルーマニア出身。二人は音楽を通じて仲良くなった。駅の構内に立ち止まって聞いていた人たちから拍手が起きる。男は聴衆の中にいた一人の女の子を呼び寄せて、何でもいい鍵盤をたたくように言って、自分はベートーベンの第九の歓喜の歌を弾いた。女の子の出す音にはメロディがないが、男は演奏に異音を抱き込んでいった。女の子はダウン症だった。女の子は笑顔でいっぱいだ。男は女の子を抱き寄せる。そして聴衆に呼びかけた、一緒に歌おう。弾きだした歌は、ラグビーイングランド応援歌だった。

 ドイツ人の男性がやてってきた。ピアノを弾き歌う。

「行かないでくれ」、「行かないでくれ」

 おう、それはEU離脱をしないで、一緒にやろうというメッセージだった。

 歌は国境を超える。人種を超える。年齢を超える。

 

 人と人とをつなぐ「駅ピアノ」。

感動を呼ぶ「駅ピアノ」。

 すばらしい。