今、「ペスト」を読もう

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   <これが日本の現実だ。この木を見よ。>

 

 

 ニュースを読んでいてこんなことを知った。

 コロナウイルスの感染拡大を受けて休校しているイタリア・ミラノの高校の校長が、学校のホームページ上で生徒に向けて書いたメッセージが話題になっているという。ドメニコ・スキラーチェ校長、彼は、マンゾーニが書いた、19世紀、ペストが流行した様子を描写した文学作品の一節を紹介しながら、「社会生活や人間関係を汚染するものこそが最大の脅威だ。人々が不安になっている時には、話を聞いただけで見たような気になってしまうものだ」と、パニックに陥った時の人間の心理の怖さを話し、目に見えない敵からの脅威を感じている時は、仲間なのに潜在的な侵略者だと見なしてしまう危険があると指摘。そして、「こんな時にこそ良い本を読んでほしい」と勧め、「集団の妄想に惑わされず、冷静に、十分な予防をしたうえで普通の生活を送ってほしい」と呼びかけた。

 

 

 なかなかの校長だと思う。こんな時こそ家で読書をしよう。

            そしてぜひ読んでほしいのは、カミュの小説「ペスト」だ。

ネズミが媒介する恐ろしい伝染病。

 町は封鎖され、町から外へ行けず、外からは入れず、それひたすらに立ち向かう医師の話。

 日本の生徒たちよ、読もう。

カミュの「ぺスト」、戦慄と感銘のこの小説、必読。