愛車

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 僕の乗っている車は、三菱の軽の荷物車で、十年前に中古車で買ったものだ。印刷屋さんが十年ほど仕事で使っていたもので、結構使い込んであったからタイヤはかなり擦り減っていた。整備費やら何やら全部入れて20万円だった。運転席と助手席の後ろに、二人座れる折り畳み式の簡易席があるが、いつもはそれを倒してあるから、軽ながら荷物を載せる空間が広くなり、便利だ。これで離れたところにある畑に、鍬や堆肥を積んで行くし、収穫した豆を載せて運んだり、店から材木を助手席まで突っ込んで持って帰ってきたりする。今も、荷台に鶏糞の入っていた袋やスコップが積んである。

 マニュアル車だから運転も安全で、ブレーキとアクセルの踏み間違いなど起こらない。高齢者はマニュアル車がいい。不必要なものがついていない、簡素そのもの、いいねえ。最近の新しい車は、いらんものが付いていて、便利なのかどうなのか、複雑怪奇、だから金額も高いし、もうややこしい。うんざりする。

 このボロ車、残念ながらエアコンがうまく効かない。冷房にしても温風が出てくる。だからエアコンを使わず、窓を開けて自然の風を頬に受けて、いよー、いくぜよー、緑の薫風、甘い草の香りだあ。

 一年に二回、夏タイヤと冬タイヤの履き替えをするが、これも自分で簡単にできて、楽ちんだ。タイヤは持ち運びするのも軽いし、付け替えの作業も簡単至極、時間もかからない。

 しかし、この愛すべきボロ車も、あまり頼りにしないようにして、少々のところなら、自転車で行くことにしている。2,3キロの距離にある店や図書館へは、自転車がいい。行きは下り道、スイスイ。帰りは上り道、うんこらしょ。自転車は三段切り替え、いちばん遅いギヤにして、帰ってくる。これがいい運動だ。小鳥が僕を見て、ピヨー、ピヨーと冷やかしてくる。かわいいねえ。