シモン芋

 どえりゃあ大きな芋だ。シモン芋を収穫した。今日は気温が高い。スコップで掘っていくと息切れがし、汗が額から流れ落ちた。土のなかから白い芋の肌が見えると慎重に掘っていったが、スコップが芋の一部に当たってしまうと、いくつか途中でちょんぎれた。スコップの刃の上端に足を置いてぐいっと深く掘る。それでも芋の深さのほうが下にあり、だから芋の下部をぐさりと断ち切ってしまう。掘り上げた土を後ろに盛り上げると、子ネズミが飛んでてきた。合計3匹。何個かの芋がかじられている。かわいそうだが、駆除した。
 シモン芋は、初夏に高瀬さんからツル苗を送ってもらった。それをサツマイモの畝の隣の畝に刺し、黒マルチをかけた。畝にはたっぷり有機肥料を入れておいた。シモンはサツマイモよりもたくましい蔓を伸ばし葉を茂らせ、サツマイモの畝にも、反対側のカボチャの畝にも進出して、一帯は三つの作物の蔓と葉が猛烈な勢いを競い合い茂りあった。
 そのシモン、あまりに大きな芋だから、土中から土を押し上げて盛り上がっている。ラグビーボール以上のも入っていた。
クルミおばちゃんが、畑で作業しておられたから、最初の一個のでかいのを持って行った。
 「シモン芋って知っています?」
 「知らないですよ」
 「これです」
 「ひゃーっ」
 おばさんの眼がまるくなった。
 南米産の芋、心臓や血液の病気の人に効果的だという情報も添えて、プレゼントした。食べ方のレシピは後から持って行った。おばさん、大喜びだ。
 「今晩、食べます。楽しみい」
 コンテナ二つにいっぱい。さてどう保存するか。おすそ分けにも使いたい。