「世界の子ども 遊びオリンピック」


 今朝テレビを見ていたら、東京・大田区の町工場の「コマ回し」の様子が報じられていた。集まってきた男たちは、とても陽気だ。日ごろは、工作機械を動かして仕事をする機械工、大の男が自分のつくった小さなコマを指でひねって回転させ、勝負する。2センチほどの小さくてかわいい金属製のコマは、精度が高い。回っているのか、止まっているのか、分からないほど音もなく回り続ける。これぞ、わが技術力、その誇りが笑顔となって爆発する。
 大田区と言えば、昔から精密機械部品、板金等の高い加工技術を持つ中小企業が密集していて、多くの熟練した機械職人が活躍してきたところだ。近年、倒産する工場や、海外に生産拠点を移すところもある。
 しかし、大田区の町工場の職人の技術力は日本の産業に欠かせない。この技術が廃れたら、大企業の生産もまた滅ぶ。客先から、手書きの設計図面を渡されて、こんな感じの部品が欲しいと依頼されると、彼らは難題にむかって立ち向かう。一生懸命、ああやって、こうやってと試行錯誤を繰り返し、必ず希望にあった注文部品を製造する。信頼され、精度高く、期日内に納める機械加工職人のウデ。そんな職人たちが大田区には大勢いる。
 大阪にも町工場の密集地がある。西淀川区東大阪は、古くからモノづくりの町で知られている。
 2012年8月に開催された「西淀川ものづくりまつり2012」では、“モノづくりの原点を経験する”ぶんちんやネームプレート、かなづちなどの製作を体験する活動を実施し、子どもたちは実際に工具や機械を使って加工や塗装を施し、製作を楽しんだ。そこでは、搭乗型巨大ロボット「はじめロボット43号機」をつくった。
大田区の町工場の「コマ回し」は勝負してチャンピオンも決める大会をした。印象的だったのは、男たちの、いやそのなかに女性もまじっていた、明るさと熱気と気概だった。
 大田区の町工場の「コマ回し」、これを子どもにも広げて、全国大会から世界大会にしていけば、そして子どもの部と大人の部をつくれば、この殺伐とした世界にもっと希望が生まれるだろうな。
 それは「世界の子ども 遊びオリンピック」に発展する。種目、「凧揚げ」「コマ回し」「けん玉」「紙飛行機とばし」「なわとび」「竹馬のり」などなど、いろんな遊びを取り入れる。
 そういう夢、希望が頭に浮かんだ。大田区の町工場のみなさん、いかがでしょう。