スギナ茶とドクダミ茶

 金環日食のとき、ヤマボウシの木漏れ日



 「スギナ茶はカルシュームが多いね」と進さんが言うのを聞いて、いっぱい生えているスギナをとって、今年はぼくも、スギナ茶を作っている。おととし、進さんはスギナ茶とドクダミ茶を送ってくれたことがあった。それがきっかけで、去年我が家の庭のドクダミの白い花が咲いているころ、庭をはいまわって摘み取り、干して茶にした。たくさん摘んだのだが、干すとかさが小さくなり、茶にして飲んでいくと、二ヶ月ほどで終わってしまった。それでお店に売っているのを買ってくることにもなり、その価格が意外に高かったから、今度はたくさん作ろうと思っていた。
 今年はスギナ茶を作り、もうすぐドクダミの花が咲くから、ドクダミ茶もたっぷり作る。できるだけたくさん摘んで、たっぷり作りたい。スギナのほうは、あちこちの野のあぜには、どこもかしこもほんまにスギナだらけだと思うのだが、スギナの茎も葉も細く、一本一本摘んでいっても、実際の量は少ない。まず庭のスギナを摘んで、庭を取りつくして、隣の空き家との境界線のスギナをとった。名案だと思いついて古い網戸を利用して干した。網戸を使うと、上からと下からと、空気の流通があって、乾燥が速い。乾燥したスギナの匂いは干し草の匂いそのものだが、これがほんとにほんわりしたいい香りだ。箱に入れて部屋に置いておくと、干し草の香りがただよってくる。
 昨日から、麦茶の中にスギナを入れて飲んでいる。干し草の香りのする茶だ。野草のもつ自然の力を身体にいただく。農薬とも関係のない自然の茶だ。一昨年、進さんから、スギナの群生した畑で摘んでいると聞いた時は、スギナがねえ、そんなの茶にしてどうなんだろうね、と思ったが、今年はぼくの心も動いて、つくることになった。その気になる、という人間の変化のおもしろさだね。腎臓結石には野菜の中のシュウ酸はよくない、カルシュームを多く取ると、それを防ぐ、そういうことを知って、進さんの話でカルシュームがあると聞き、作る気になった。
 隣の畑の土手に、野生のケシの花がたくさん咲いている。草刈りをしたいのだが、花が終わってからにしようかとためらっている。そこに今日初めてモンシロチョウが3匹飛んできた。庭の冬菜に黄色い菜の花が咲いて、菜の花の香りに誘われて花アブ、花蜂がブンブン蜜を吸いにやってきたときも、花を引き抜いて畑を整理することをしばらくおいた。小鳥だけでなく、虫たちも今年は少ないように感じる。田んぼをのぞいたら、アメンボウを見つけた。これはうれしかった。とんと久しぶりの発見だった。おい、ゲンゴロウはどうした? ミズスマシはどうしている? まだ生きているか。