福島・南相馬の子どもたちが来る

8月1日、福島県南相馬から、子どもたちが安曇野にやってくる。
安曇野市社会福祉協議会が受け入れるキャンプだ。
その準備が続いており、昨日はキャンプファイアーの企画を立てた。
地元の豊科高校と南農高校ボランティアクラブの生徒7人がキャンプファイアーのスタッフに入ってくれることになり、かわいい女の子二人代表で打ち合わせの中に入った。
さらにプラン作成に小学校教諭の加藤さんが来てくれた。彼に支えてもらうことが多かったこれまでの我が十年、今回もまた一肌脱いでくれる。
「信州ふるさとづくり応援団」代表の等々力さんは、いつもの白髪頭に白ひげスタイルで登場し、自分の土地を営火場にして、野外夕食、薪、たいまつなどを用意してくれるという。70歳になるだろうこの人の思想と行動のスケールは驚くばかりだ。長野県発行の「季刊 信州」誌に掲載されている記事によると、等々力さんの祖先は、江戸時代安曇野に造られた農業用水路「拾ヶ堰」の開鑿功労者、等々力孫一郎であるという。


キャンプファイアーは、子どもたちが南相馬に帰っていく前日の行事で、心に残るものにしたい。
等々力さんは、ファイアー点火のときの子どもたち26人分のたいまつ(トーチ)を作ると言ってくれたので、最初の点火の儀式はトーチサービスをすることになった。
進行司会は高校生二人にやってもらう。
歌とゲームと踊り、何がいいだろう、今の子どもたちが歌える歌は何だろう、どんなゲームが出来るだろう、踊りは?
高校生二人と加藤さんとで考えて、歌は「ふるさと」「手のひらを太陽に」「上を向いて歩こう」「ビリーブ」にした。
ゲーム、踊り、最後に花火をして打ち上げ、計画はほぼできあがった。


昼間の企画では、二日目は国営アルプス公園での遊び。このときは公園の職員の皆さんと、セイコーエプソン労働組合有志のみなさんが子どもたちのお世話をしてくれる。 
3日目は、池田町の社会福祉協議会が池田町のクラフトパークでクラフト。
4日目は、明科の川遊び、カヌーに乗って遊ぶ。そして穂高のプール遊び。
食事も、市民ボランティアが準備してくれる。


前回の、福島市の子どもたちを受け入れる計画を6月10日に中止した後、ぼくはしばらく力が抜け、無力感だった。
その後に、安曇野市社会福祉協議会安曇野に福島の子どもたちを受け入れるキャンプを呼び戻してくれた。
長野県社会福祉協議会は、「高原学校IN信州」を企画し、福島県社会福祉協議会を通して長野県の各地でキャンプを行なう企画を立ち上げた。その一端を安曇野市社協は担ってくれたのだった。
やっぱり組織の力は大きいと思う。
しかしまた、一介の市民も、力を合わせれば大きいとつくづく思う。
準備会のとき、安曇野市社会福祉協議会の会長があいさつで言われた言葉が印象に残った。
「行政は、法と制度と予算にしばられる。しかし、社会福祉協議会は目前の問題を見過ごさず、その解決に市民と共に動く」。
安曇野社会福祉協議会は、被災地に4回ボランティアを派遣した。
自分の意志で被災地に向かった市民のトータルはどれほどになるだろう。そのエネルギーははかりしれないものがある。