[暮らし] 朝顔、夕顔が咲いている




厳しい日射熱をさえぎるために、今年育ててみた「緑のカーテン」がみごとだ。
室内から見ると、緑の館のなかの、夏ごもりの感じがする。


まずゴーヤのカーテンが茂った。
おまけに、20センチを超える長さの実は、ゴーヤチャンプルにゴーヤの味噌いためと、夏ばて予防に役立っている。
つづいて生長がゆっくりしていた朝顔が咲き、つづいて夕顔の白い花が咲き出した。
カーテンの下から上に順次、花が咲いていく、ブルー、紫、赤の花々。
夕顔の白花は、香りも良い。
通りすがりに、ランは香りを嗅いでいく。



盆に息子夫婦二組と孫たちが帰ってきた。
犀川のほとりで花火大会があった。
我が家は、そこまで行かないで家の近くの田の畔から遠望した。
打ち上げ花火の、高度の低いのや、仕掛け花火は前方の家並みに隠れて見えないが、高く打ち上げられたのはよく見える。
ぱっと開いてきらきら輝く大きな円、それから10数秒たってドーンと低い破裂音が聞えてくる。
この音の後れる分だけ犀川までの距離があるんだなあと、
息子はその秒数を数えていた。



「線香花火をやろうよ」
となって、庭で花火をした。
いちばん小さく、いちばん素朴で、でもいちばん味わい深い、ちび花火の華。
細いなよなよした紙こよりに火薬が少しつけてある、
火をつけると、シューと火を噴いた後、こよりの先端に米粒ほど火の玉ができて、ピッ、ピッとかよわい火花がはじけるように飛び、
もうちょっと火花を散らしてよ、と思うほどあっけなく先端の火の玉は地面に落ちてしまう。
この繊細な、わずかな瞬間が、この花火の魅力なんだ。
江戸時代から、庶民に子どもたちに愛されてきた線香花火の粋。



これまで4年間は、我が家では蝉の声を聞かなかったが、
盆が過ぎても熱波がおさまらない朝、
ミーンミーン、と鳴く声がした。
ハナミズキの樹で鳴いている。
ここまで蝉がやってきた。
この暑さ、蝉もやってくるだで。
孫の住んでいる六甲の麓では、朝起きたら蝉の大合唱が聞えてくるそうで、
1歳のホノちゃんは、虫すべてを「ミーミー」と呼ぶ。
窓から外を見て、幼い耳に聞える虫の声、
「ミーミー、ミーミー」。