開拓者によって拓かれた地 



タンポポの花が田んぼの畔に咲き、綿毛になったのは風に吹かれて種を飛ばしている。日本にはタンポポ十種類ほどあるらしい。カンサイタンポポカントウタンポポもある。日本古来のタンポポに、今は西洋タンポポが広がっている。

麦の穂もにょきにょき。これは大麦。麦茶になる六条麦だろう。麦ワラは昔の子どもたちの遊びの材料だった。少年時代、船、笛、人形、蛍籠などいろんなものを作った。

端午の節句の幟は、五月いっぱい初夏の風物詩となる。あちこちに見られる白壁の倉は美しい。先祖からの農の営みが生んできた富の結晶でもある。

田植えの済んだ田の、苗の補植をしているKさんの奥さん。今年は寒かったから、稲苗の生育が遅れたという。小さな可愛い苗が、水に沈んでいるのが多い。それもすぐに水深を突破して大きくなってくる。夜はカエルの大合唱だったが、あれっ昨夜はどうだったかな。

この地に開拓に入った人たちによって新田が開かれた。あちこちに開田記念の立派な碑が建てられている。この地は川の扇状地だったから、大きな石がごろごろ出てくる。そこを拓いた開拓者の労苦がしのばれる。