外壁の板をはる


右面は下見ばり完了。
                    左の上はコンパネが露出したまま、
                    その下は透湿防水シートをはったところ。


今、外壁づくりをやっている。
これがなかなか時間のかかる作業だ。
窓や入り口の位置以外はすべて杉板、それもホームセンターではいちばん値段が安い杉の野地板を使っている。
初めに柱と柱の1間のあいだに間柱を3本ずつとりつけていき、
そこに合板のコンパネをはる。
厚さ12ミリのコンパネはがっちり壁を固定し、筋交いを入れなくても、建物の強度を確保してくれる。
1枚90センチ×180センチ、厚さ12ミリのコンパネはかなりの重さだ。
下から上へはっていく。
上部になって、足場にのりながら、両腕でコンパネを持ち上げて、釘を打つ。
これがバランスを保ちながらの力技だった。
高さ4メートル余の屋根の傾斜や突き出た梁に合わせなければならない。
なんとかクリアして、コンパネを頑丈にはりつけると、その上に透湿防水シートをはりつける。
この透湿防水シートは、ネット通販から格安でとりよせた。
空気は通すが水は通さないというすぐれものだ。
シートを貼り付ける道具は、プロはそれ専用のもの(ガンタッカーとかハンマータッカー)を使うが、4千円から1万円もする。
わざわざそれを買うのもどうかなと、いろいろ思案し、代替物を考えた。
ホームセンターに行くと、あれっ、こんな安いものがある、と見つけたのは、
ちゃんと「ガンタッカー」と名がついており、日曜大工や家具の修理などに素人がつかえる簡単なもので、
ホッチキスの針をばねの力で打ちつける構造だ。
一見しておもちゃのようだったが、ひょっとしたら有効かもしれないと説明を読んで購入した。
台湾製で、値段はなんと500円足らず。
家に帰ってそれを使ってみた。
コンパネの上部に両面テープをはり、そこに防水シートをくっつけてはり、
シートの上からガンタッカーでぱちんと打ち付けて固定する。
おうおう、いけるではないか。
おもしろいねえ、こういう発見にぶつかるんだから。
行き詰って、方法が見つからないとき、時間をかけて考えていると、
数日たってから、ひょこんと解決策が見つかる。
透湿防水シートをはり付けると、そのうえから野地板を、下見貼りのやりかたで下からはっていく。
野地板は、幅24センチのもので、はるまえに塗料を塗る。
塗料は水性で、色はこげ茶色、価格が半額になっていたので購入したのだが、
塗ってみると、安っぽかった野地板が品格のある焼き杉のような趣に変身した。
下見張りというのは、よろい板のように横ばりで、上下の板の一部を重ねてはる。
この細工でも問題に直面した。
下から1枚1枚はっていくから、誤差が出ないようにしなければならない。
野地板に反りのあるものもある。
そして一番高いところの造作が傾斜に合わせていかねばならないから困難になる。
結果やっぱり誤差が出て、きっちり合わず、苦労した。
今、4面のうちの1面が完了し、
雨がしみこまないようにすき間にコーキングをした。
この1面から多くのことが分かった。
足場の組み方、釘の打ち方、屋根の傾斜角度にきっちり誤差なしに合わせる方法など、
発見したことは、これから残りの3面に活きてくる。


ご近所のHさんご夫婦が観に来られた。
すごいですねー、としきりに感心されてから、
楽しみですねえとおっしゃる。
ぼくは、
いやー、楽しさ半分に、ストレス半分ですよ、
と笑いながら応えたが、
ほんまに自分ながらようやってますなあ、と半分あきれ、ためいきをつきつつ、
四六時中頭は工房づくりのことばかり。