早春賦音楽祭INアルプス公園


5月4日、国営アルプスあづみの公園で、「早春賦まつりとコンサート」につづく「早春賦音楽祭」が開かれた。
快晴、初夏の暖かさというより暑さ、日ざしが強く、野外の音楽祭は早春賦とはおよそかけ離れたものだったが、一連の行事は、まだこの後5月25日の「本ステージ」(穂高会館講堂)まで続く。


オープニングは、安曇野吹奏楽団の演奏にはじまり、地元小・中学校の児童生徒の合唱、ジャズバンドの演奏などがつづいた。


広大な敷地に、コンサートも5箇所に会場が分かれて行なわれた。
アルプホルンの演奏も。


自然公園内で見る常念岳もいいものだ。


アルプホルンのことでは胸の痛い思い出がある。
大阪・加美中学校の修学旅行を乗鞍高原上高地を舞台にして実施した時のこと。
夜のイベントにアルプホルンの演奏と生徒の音楽会を企画し、ホルン演奏は当時の安曇村乗鞍高原の宿泊施設のオーナーたちにやってもらうことにしていた。聞きほれるホルンの演奏が終わったときに、生徒の席から「タン」と一つ、舌を鳴らす音がした。特に悪気があったわけではなく、日ごろの癖が出ただけのように思われたが、聞きとがめた生徒指導主事は、「演奏してくれた人に失礼だ」と思ったのだろう、「出て来い!」と舌を鳴らしたものを探し始めた。シーンと会場は静まり返り、誰も名乗り出るものなく、演奏してくれた人たちは、後味の悪い思いを抱いて帰っていった。
夜の牧歌的な音楽会はそれでつぶれてしまった。生徒たちの気分も悲しい結果となった。教師は、何を優先すべきか、何を重視すべきか、考えさせられる出来事だった。

一つの会場で、盲目の演奏家が歌っていた。伴奏も歌手も盲目、盲導犬が歌手の足もとで演奏が終わるまで静かに待っていた。