小説「夕映えのなかに」、の二回目の校正をやっている。出版社から送られてきたゲラへの、訂正、削除、追加の、赤ペンの書き込み、校正。上巻だけでも450ページ、作業は思いのほか多い。毎日毎日、読み返しては書きこむ。
タイトルを「夕映えのなかに」に変えてから、朝はモルゲンロート、夕方はアーベントロートを眺めるウォーキング。赤く染まる山々を見る時の荘厳な思いはいっそう強くなった。
小説タイトルの「夕映えのなかに」の横に、ドイツ語のタイトル「Im Abendrot」を添えることにした。
カール・ラッペ作詞、シューベルト作曲の「夕映えのなかに」の曲は、神の恩寵を歌っている。
おお、「父」よ。
なんと美しい御身の輝きよ。
世界は黄金の光に包まれ、
わが誇りを光で染めあげる。
私は何を嘆き、何に迷うのか
何をためらうのか。‥‥
恩寵とは愛なのだ。