小さなものたち

これまでもう何年も花が咲かなかったガクアジサイが今年は花をつけた。これまで花をつけないから、いろいろ株に手を加えてきたものの、効果がなかった。ところが今年は、何が変わったのか、花をつけた。何がそうさせたのだろう。ヤマアジサイは毎年順調に育ち、花もつけている。

 黒いアゲハチョウがいる。なんというチョウなんだろう。家の入口にひとりでに生えてきたサンショウの木に止まっていたのを見たのは、半月ほど前だったかなあ。ところが、ついこの前、そののサンショウ木に、アゲハの幼虫が二匹大きくなっていた。
この幼虫はてっきりあの黒いアゲハだと思う。調べてみたらジャコウアゲハだと書いてある。どうしてここに好物のサンショウがあるとわかるんだろう。生命の不思議だ。ジャコウアゲハのオスはつかまえられると、一種の臭いをだすらしい。

 ヤマボウシの幹をこの数年前から、カタツムリがはう。あのユックリズムが、どのようにしてここへ移動してきたのか。卵が移動してきたとしたら、どうやって?
ブルーベリーが実をつけている。いちばん初めの年に植えた苗は、なかなか育たず、今も実をつけないのがある。むしろ数年後に植えた苗の方がよく育って実をつけている。これは何が関係しているのだろう。土の酸性度か、肥料の関係か。
 モグラが土の中にトンネルを掘っていて、その上を歩くと靴がずぶっと土中に沈む。これが野菜の成長にも影響している。野菜の根が発達しない。
 ヒメシャラ、別名ナツツバキが白い花を咲かせている。
 ブルーベリーの実を摘んでいると、箱の中に飛び込んだものがある。1センチにも満たない小さなツチバッタだ。お―、バッタがいた。子どもの頃、夏はバッタの天国だった。ところが安曇野に来て、バッタがいない、バッタがいない、と寂しく思っていた。てっきり農薬のせいだと思っていた。
 いまだに見ないのは、トノサマバッタショウリョウバッタだ。